たまにはちょいと趣向を変えて。
どちらかというと美容師さん向けになるのですが、僕が普段愛用している赤系カラーの薬剤について。
巷では「○色を作るならこれが最強!」みたいな記事や動画を見かけますけれど。
それに対するアンチテーゼ的な感じで。
赤系の髪色を作るにしても、これくらい違いがあって、それをどう使うかが僕らの仕事じゃん??
ってお話です。
【華やかで品のある髪色が派手髪】
【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】
をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。
初めて僕のブログをご覧下さった方は必ずこちらのページを御一読下さい。
・Hanaのブリーチ技術について
・ホワイトヘアにするための条件
・何故1回のブリーチで白く出来るのか
・そもそもホワイトブリーチやケアブリーチって?
・どれくらいダメージするの?
・ブリーチってやっぱり染みて痛いものなの?
といった、僕のブリーチに関する基本的な内容や、よくある質問はこちらの記事に纏めておりますので、こちらも是非ご覧ください。
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”赤系最強はこれ!”…とは
そもそもの話で、ちょいとdisを含んでしまうのですけれど。
よく見かける赤系最強とかそういう記事や動画って、何を基準に最強としているのか…。
よくわからないんですよね。
彩度なのか明度なのか、色相として純粋な赤に近いことを指しているのか…。
ヘアカラーであれば色持ちも含むでしょう。
兎角、明確な基準を以て”最強”とするのであればそれはいいと思いますけれど、ただバズりたいがために喧伝しているのを見ると、この方は色とお客様に対して不誠実か、本当に見えていない人感度の低い人なのかなって思ってしまいます。
赤と一口に言ってもその種類は様々
というのも、赤って
ちょっと調べるだけでこれだけ沢山の赤があるんですよ。
純粋な垢は勿論のこと、暗く鮮やかなボルドーのような色から、ワインレッドのような紫に近い赤。
オレンジに近いものや茶色みのあるもの…。
世の中には本当に沢山の赤があるのです。
あなたの求める”赤”は…?
純粋な赤を求めているのか、暗いのがいいのかピンクっぽい方がいいオレンジっぽい方がいい…。
人によって求める赤は様々ですよね。
ですから、どんな赤にしたいのかによって使うべき薬剤も変わってきます。
更に言えば、どんな赤にしたいかによってブリーチで作るべきベースの明るさも大きく変わってきます。
なので、「このカラー剤が赤系最強!」とか、口が裂けても言えないのです。
もしそれを言うのならば、せめて
「このカラー剤が最も原色の赤(RGB値で255:0:0)に最も近い薬剤です。」
と言うのなら、納得も出来ますが…。
閑話休題
Hanaが愛用している赤系カラー剤
といったところで、disも程々に本題に。
僕が普段使っている赤系カラー剤の話をば。
といっても、そんなに沢山のカラー剤を使っているわけではないのですけれど…。
一応、用途によって使い分けているものをご紹介致します。
王道で深みのある赤を作る〜ヴァンパイアレッド〜
ひとつ目はみんな大好きヴァンパイアレッド。
マニパニで赤系何使ってる?と言う話になった時によく名前が上がるこれです。
普通にブリーチして普通に使った時に、多くの方が「これぞ赤」と思う色に一番近い色かなと。
少し深みがあるので、ベースの作り方やこれと何かを混ぜたりすることで深みのある赤を作りやすい利点もあります。
王道で明るい赤を作る〜ロックンロールレッド〜
日本国内よりも海外のマニパニラバーが愛用しているイメージが強いこちらの赤。
これもまた、ヴァンパイアレッドに似て王道の赤を作りやすいのですが、ヴァンパイアレッドよりも明るいため、どちらかと言うと安っぽい赤を作りたい時に重宝します。
また、明るい分余計な濁り(深み)がない為なるべく暗くしたくない時や、全体的に彩度高め明度高めの多色使いで作りたい時に使いやすい色だと思います。
ピンクと赤の中間を作る時に便利〜ヴァンパイアキッス〜
先ほどの2つから少し色相がズレて、ちょいと紫の要素がある赤です。
こちらはロックンロールレッドに近い明度彩度なのですが、少し紫よりな為ピンクっぽい赤になってくれます。
ロックンロールレッド同様、明るい分余計な濁り(深み)がない為なるべく暗くしたくない時、全体的に彩度高め明度高めの多色使いで作りたい時で、ピンクと赤の中間色を作りたいのであれば使いやすい色だと思います。
僕は普段これを単品で使うというよりも、フューシャショックやクレオローズにちょい足しして使うことが大半です。
オレンジと赤の中間色にはこれ!〜ワイルドファイア〜
ヴァンパイアキッスとは変わり、今度はオレンジに寄っている赤です。
あまり薄めずに使えば朱色っぽく、薄めていけば綺麗なオレンジを作れます。
ロックンロールレッド同様、明るい分余計な濁り(深み)がない為なるべく暗くしたくない時や、全体的に彩度高め明度高めの多色使いで作りたい時で、オレンジと赤の中間を作りたい時に使いやすい色だと思います。
これもまたヴァンパイアキッス同様、サイケデリックサンセットにちょい足しして使うことが多いです。
ドス黒い赤を作りたいなら…〜インフラレッド〜
個人的に最近知って、「何故今まで使ってこなかったんだろう…」と後悔した逸品。
赤は赤でも兎に角深い…。
血のような赤や悪魔っぽい赤を作りたい時はこれが重宝します。
赤の中でも兎に角艶のある赤〜ディヴァインワイン〜
こちらは一般的に知られるマニックパニックとは違い、プロフェッショナル(美容師さん)向けに出ている、マニックパニックプロフェッショナルというシリーズのカラー剤です。
通常のマニックパニックと違い、チューブタイプでジェル状なのですが、ジェル状であるが故に非常に艶が出やすく綺麗な赤を作れます。
このシリーズにはもう一つ、レッドベルベットという純粋な赤に近い赤があるのですが、こちらのディヴァインワインはそれよりも紫よりなワインレッドっぽい赤になります。
単品で使うのは勿論、通常のクリームタイプにちょい足しして艶を作るのにはうってつけです。
赤髪にするにはどれくらいのブリーチが必要??
ちょっとお話がそれますが、赤系の髪色を作るためにはブリーチでどれくらい明るくする必要があるのかについて。
赤系のお色の場合、基本的にホワイト領域まで明るくする必要はありません。
このように、黄色くらいの明るさでも十分綺麗な赤に染まりますし、なんならちょっと明るい茶色でもちゃんと赤に見えるくらいにすることもできます。
ではどのような場合にどのような明るさにするべきなのかというと…、
純粋な赤にしたい時は…
この場合、イエロー領域以上の明るさがあれば十分です。なるべくヴィヴィッドな赤にしたいのであればイエロー領域、ブライトトーンのような少し明るめな爽やかさのある赤にしたいのであればホワイト領域近くを目指すと良いです。
逆に、なるべく鮮やかにしたい時は明るくし過ぎてしまうと明度が上がり、その分彩度が下がって見えてしまうので、明るくすればいいというわけでもないです。
ピンクっぽい明るい赤にしたい場合
どこからピンクっぽいを感じるかは人それぞれではありますが、髪の毛に黄色が残っているとどうしても”ピンクっぽい”を作るための紫が打ち消されてしまうので、ホワイト領域に近い方が綺麗に発色させられます。
ただし、その分明るくなり、故に淡く見えてしまうため、彩度をしっかり出しつつピンクっぽさを出すのであれば、ブリーチ後にベースメイクをする必要があります。
赤毛の外国人の方のような赤にしたい場合
この場合、オレンジ領域どころか明るいブラウンの領域でも十分と言えます。
特に、地毛っぽさのようなものを作るのであれば、明るくし過ぎない方が良いでしょう。
逆に明るいオレンジ味の赤を作りたいのであれば、求める透明感次第ではホワイト領域まで明るくすることが必要になります。
深みのある赤にしたい場合
この場合は明るめの茶色以上の明るさがあれば十分綺麗に発色させられます。
というのも、特に日本人は髪の毛のメラニン色素の大半が赤褐色と黄色で構成されています。
なので、ブリーチをしていくと
暗い茶→明るい茶→オレンジ→イエロー→ペールイエロー
と明るくなっていきますよね。
この中でオレンジの領域までは赤褐色のメラニンがいるのですが、赤褐色なので垢と親和性が高いため、青や紫のように反発し合うこともなく綺麗に発色させやすいです。
逆に、先ほどまでにも書いているように、ブリーチで明るくすればしただけ、良くも悪くも透明感が出るので、深い赤を作ろうとした時は適度にメラニン色素が残っている方が、より深みのある赤にできます。
Hanaのブリーチは…
余談ですが、”ホワイト領域”や”イエロー領域”と言った場合に、「ブリーチ何回ですか??」という質問を頂くのですが、僕はどんな明るさでも1回のブリーチで作ることができます。
詳しくはこちらの記事で、僕のブリーチに関する大半のことをまとめておりますので是非ご覧ください。
赤に染めた色落ちは…?
赤にするために必要な明るさは前述したとおりですが、色落ちを考えるとまた話が変わってきます。
というのも…、
・ホワイト領域まで明るくして赤にした場合
→染めたてのお色がそのまま薄まっていくような色落ち。紫に寄せればピンクを経てブロンドに、オレンジに寄せればコーラルを経てブロンドになります。
・イエロー領域まで明るくして赤にした場合
→ある程度の期間はホワイト領域と同じような色落ちをしますが、元のメラニン色素がそれなりに残っている状態だとどうしても色落ちをしていくに従ってメラニンの黄色と混ざってオレンジっぽくなってきやすいです。
・ライトブラウン領域で赤にした場合
→深みのある赤にするためにはライトブラウン領域が一番ちょうどいいのですが、元のメラニン色素がまだ沢山残っている状態のため、色落ちするとどうしても赤みのある茶色になります。
ざっくりまとめるとこんな感じです。
正直、赤髪にするにはそこまでブリーチで明るくする必要もないです。
しかし、色落ちを考えた時に「オレンジっぽくなったり茶色っぽくなりたくない…」となると、イエロー領域〜ホワイト領域近くまで明るくする必要があります。
ですがここに”ベースメイク”という手法を入れると、イエロー領域でもホワイト領域でも深みのある赤や純粋な赤を作ることができます。
色落ちも、ベースメイクをしなかったときほどではありませんが、しなかった時よりも赤が綺麗に残って薄まっていくような色落ちにすることもできます。
こちらは先ほどの方の染めてから2ヶ月ほど経った状態の写真です。
イエロー領域までしか明るくしていませんが、マニックパニックを乗せる前にベースメイクをしているので、色落ちもそこまでオレンジっぽくならず、赤が綺麗に残ってくれています。
メニュー:Hanaカラー(¥20,000)+Hana式トリートメント(¥5,000)
所要時間:4h
といった感じで。
所謂派手髪の中でも比較的綺麗なお色を作りやすい赤ですが、どのような赤にしたいかは勿論のことどのような色落ちをさせたいかによって、作るべき明るさのベースが決まってきます。
なので、オーダーをする際は”どんな赤にしたいか”と、”色落ちはどういう風にしたいか”をお伝え頂けると非常にありがたいです。
それに合わせて、最高の赤を作らせて頂きますので。
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