こちらの記事でまとめているように、ホワイトヘアの最低条件は完全なヴァージンヘアであることになります。
簡単に言えば、
・ヘアカラー履歴が無い
・縮毛矯正やパーマの履歴が無い
・酸熱トリートメント等の履歴が無い
これら全てを満たしていることが条件になります。
では逆に、黒染めをしている髪の毛にホワイトブリーチをするとどうなるのか。
今日は「黒染め履歴があるけど可能な限り明るく、できるなら白くしたい。もし難しければいい具合にしてほしい!」というオーダーのお客様のお話をば。
黒染め履歴がある髪の毛にホワイトブリーチをすると
まずは結論。
こうなります。
この赤線から上は十分白く出来る明るさまで到達していますが、それより下の部分はまだかなりオレンジ味が残っている状態ですよね。
これが黒染めの残留で、こういった残り方をしているとこれ以上ブリーチしてもダメージが進行するだけでほとんど明るくなりません。
ビフォアはこう
ではブリーチする前の状態はどうであったか。
このような状態です。
毛先の方の以前ブリーチされていた部分は、意外に落ち切ってくれていますよね。
「これって黒染めが落ち切っているってことじゃないの??」
と思われる方もいらっしゃると思います。
ですが、いわゆる黒染めを含む普通のカラー剤はダメージの少ない部分ほどしっかり結合し、ダメージが進行しているほど結合し切らないものになります。
例えるなら、ダメージが進行していない部分はしっかりと掴まることができる部分が沢山あるけど、ダメージが進行するとそれが壊れてしまう、みたいな。
ちなみに:黒染め自体にも明るくする力はある
で、これよく見るとなのですが…
よく見ると、ブリーチ前の時点で根本よりも中間から毛先の方が茶色くなっています。
地毛のお色がそもそも明るめな方もいらっしゃいますが、根本付近を見てわかるようにこちらのお客様の地毛は非常に暗い黒です。
「そのような髪の毛に黒染めしたって、黒くなるだけで明るくなることはないのでは??」
と思われる方もいると思いますが、いわゆる普通の黒染めであれば髪の毛はわずかに明るくなります。
カラートリートメントやカラーバターの類であれば、そもそも明るくする力のないものなので黒を塗ろうが赤を塗ろうがそれによって明るくなるということはありません。
しかし、普通の黒染めのカラー剤は1剤(染料とアルカリ)と2剤(過酸化水素)を混ぜて起きる酸化還元反応によって染料を結合させます。
この反応は黒染め以外のカラー剤でも同じですし、ブリーチも根本的には同じ反応によって髪の毛を明るくしています。
黒染めとブリーチ、明るくする力の差はあれど同じ反応を使っている以上、大なり小なり髪の毛は明るくなってしまうということです。
その為、中間から毛先が茶色くなってしまっていて、ビフォアの時点でここから先は明るくなりにくいだろうなと想定していました。
染料の残留があったらどうする??
とまあ、このようになるべくしてなった状態なのですが、大切なのはここからどうするのかですよね。
僕はこういった状態になった場合
①ブロンドのまま残す
②できる部分だけ白くして、中間毛先はベージュ系にする
③根本側をシルバーにして、そこから徐々に暗いグレーにする
④中間毛先に向けて明るくなるように根本側は暗めに設定したグレーやベージュ系にする
という選択肢になります。
①ブロンドのまま残す
可能な限り明るい状態にしたい場合これが一番安牌な選択肢になります。
というのも、②はどうしてもムラっぽく見えてしまいがちですし、③や④はちゃんと染めるのでどうしても暗く見えてしまいます。
明るさのムラが目立ちにくく且つ一番明るい状態をキープしたいという方にはこちらがおすすめです。
②できる部分だけ白くして、中間毛先はベージュ系にする
できる範囲で白い部分を作りたいという方にはおすすめの選択肢です。
紫シャンプー等を用いて黄ばみ飛ばしをするのですが、今回の中間毛先のような残留があった場合、その部分は黄ばみを抑えた結果ベージュ系のお色になってしまいます。
それでもできる範囲だけでも白くしたいという方はこちらの選択肢になります。
③根本側をシルバーにして、そこから徐々に暗いグレーにする
多少暗くなってもいいから黄色味を一切感じない無彩色にしたいという場合はこちらですね。
根本が明るく毛先に向かって暗くしていく逆グラデーションにすることで、できる範囲内で明るく黄色味も感じない状態にできます。
一方で、①や②に比べると暗くなりますし、シルバーやグレーとはいえ無彩色(≒凄く薄い黒染め)で染めるので、色落ちした時には僅かに茶色味が残りベージュ系になっていきます。
その為、「どうせすぐ暗くするから今回1回ベストな状態になればOK!」という方や、多少ベージュっぽくなっても構わないという方にはおすすめです。
④中間毛先に向けて明るくなるように根本側は暗めに設定したグレーやベージュ系にする
一番安牌かつ自然なスタイルになる方法ですね。
全体はどうしたって暗くなりますし、グレーであっても多少の茶色味が残ります。
しかし①とは別方向、根本側を暗く設定するので色落ちしてもナチュラルなグラデーションになるというメリットがあります。
それはそれで純粋に綺麗なスタイルになってくれますから、ナチュラル系も好きで絶対明るくないと嫌だというわけではない方にはおすすめの方法です。
黒染めの残留も踏まえた今回の仕上がり
で、今回は①のブロンドで残す方針にさせて頂きました。
ただ、それだけでは物足りないとのことだったので、根本から中間の馴染感を阻害しない系統のお色を毛先に置いて…、
こうさせて頂きました。
濡れた状態であれだけ目立っていた中間部分も、乾くと意外と目立たないですよね。
これは、根本付近に黄色味を残しているからで、根本側をしっかり白くしてしまっていると中間以降の黄色味との差が大きくなる(コントラストが強まる)ため余計に目立ってしまいます。
ちなみに以前ブリーチされていた部分はダメージレベル的に限界だったので切らせて頂いています。
毛先は中間に馴染みやすいオレンジやピンクで裾カラーにさせて頂いています。
これが寒色系だと、白に近付けた時同様に馴染みが悪くなってしまうので、こういった場合は暖色系を入れるのがおすすめです。
料金:¥27,500
所要時間:フルブリーチの場合5〜6時間、リタッチの場合3〜4時間
とまあこのように。
「真っ白じゃなきゃ嫌だ」というわけでなければ、こうして黄色味を残すことで逆に黒染め履歴があると感じさせないスタイルにすることもできます。
僕が言うのもなんですが、「こうでなければダメ」というところから少し視野を広げるだけで可愛いスタイルや綺麗なスタイルの選択肢は広がります。
勿論、ご希望通り理想通りのスタイルを実現出来ることが理想ですが、ヘアカラーだけではない様々な施術をすることが当たり前な現代では、ブリーチの極北たる純白の難易度は非常に高いものになります。
そんな時に、こういう風に可愛いスタイルにすることもできるということを思い出して頂けたら嬉しいですし、ここからリタッチを繰り返して徐々に全体を純白にしていくことも出来るので、ご参考になればと思います。
【華やかで品のある髪色が派手髪】
【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】
をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。
初めて僕のブログをご覧下さった方は必ずこちらのページを御一読下さい。
・Hanaカラーについて
・ホワイトヘアにするための条件
・何故1回のブリーチで白く出来るのか
・そもそもホワイトブリーチやケアブリーチって?
・どれくらいダメージするの?
・ブリーチってやっぱり染みて痛いものなの?
・どういう方に来て頂きたいか
といった、僕のブリーチに関する基本的な内容や、よくある質問はこちらの記事に纏めておりますので、こちらも是非ご覧ください。
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