が、がんばるね…
「カラーガラスをイメージした髪色にしてほしい!」
っていう今回のオーダー。
これね、結構難しい部類のお題だと思うんですよ。
色と質感
色味の再現、という点はそこまで難しくないです。
正味な話、色ってものを構成する要素を還元していけば色相・明度・彩度の三要素に行き着きます。
なので基本的には高明度領域で彩度と色相を調整すれば、大体色付きガラスのようなお色味になります。
色味は、ね。
ここで重要なのは、色を近付けても、色を近付けただけだとガラス感は出ないという点。
何故か?
そりゃあもう…、ね。
ガラスと髪の毛じゃ、材質全く違うからね!
あっち液体だけどこっち個体だし!
髪の毛一本一本がガラスとほぼ同じ形状形質だったとして、それが面として元々そうであるものと、細かい線の集合体として面を形成しているものじゃ全く別物ですし。
ガラスをイメージした髪色って、言わば「人間みたいな行動をする犬や猫」みたいなものなんです。…いや、大して上手くないなこの例え。
兎角、どんなに似せても本質が違うから違うってことなんです。
…
……
………
「まあ、がんばるね。」
「よろしくお願いします!Hanaさんのセンスで良い感じにしてください!」
っていう今回です。
カラーガラスのような髪色を作るプロセス
というわけでやっていくわけですが…。
今回のお題は、言わばそのモチーフの持つ要素をどう抽出するかって感じで考えていきます。
ビフォアァ!!
なんか勢いつけたくなったんだ。
全体濡らした後ですが、一見ヴァージンヘア。
ヴァージンヘアのように見えるのですが…、
「普段結構巻いたりしてました!150度くらいだったかな?」
ってことで、恐らく毛先を中心に全体的に熱の影響がありそうだな、と。
こればかりは視診触診をしても「どこが熱変性しているか」を判別できないので、とりあえずブリーチで炙り出し&どの程度明るく出来るかはそれからですね。
ブリーチ
全体をホワイト領域少し手前くらいで止めて、根本はリタッチ前提で甘めにブリーチして、こう。
まあ、毛先は矢張り明るくなりづらくなってましたね。
これもしかしたら、以前ブリーチされてた時から地毛を伸ばし始めた頃に黒染めや暗めのカラーされた名残なのでは?
と思ったのですが、ご本人も記憶が曖昧ってことで真相は闇の中…。
そりゃ3年も4年も前の事は覚えてないっすよね。
閑話休題
兎角、こうなってしまった以上は、毛先は濃い色で塗りつぶすかカットで物理的に無くすかそのまま残すかの三択になります。
今回のテーマ的に暗くはしたくないのでカットか残すかの二択だったのですが、カットはしたくないという事だったのでそのまま残す方向で。
ベースメイク
で、
この状態から色を乗せるのもアリといえばアリだったのですけれど、今回表現したかった色付きガラスの要素的には違うので、
一旦こうします。
全体的に極薄い紫みを帯びたグレーやシルバーとベージュの中間あたり。
今回表現したかったこと
で、本題。
色付きガラスのような髪色というテーマをどう表現していくのか。
冒頭で書いたようにそもそもの材質が違うので、色付きガラスそのものを表現することは正直言って不可能でしょう。
仮に限りなく近付けたとしても、あくまでも「色の範疇」を出ることはできないでしょうから、単に明るくて鮮やかで透明感のある色とか、明るくて淡い透明感のある色がせいぜいかと。
ならばどうするのか。
素材そのものの再現は出来ない?
なら、
素材そのものの表現をしなければいい
そう、言い換えるなら、
その素材だからこそ作れる別の要素を抽出すればいい
オンカラー
というわけでこうしました。
で、乾かして、
こう。
イメージは、ステンドグラス(色付きガラス)に照らされた髪です。
ミラーボールとか、色付きライトでも良いっちゃ良いんですけどね。
要は、本来無色である光が、特定の色だけを透過させることによってその光を浴びた対象物にもその色が浮かぶという、透明ガラスではなく色付きガラスだからこそ起きる現象を抽出することで、色付きガラス(を通った光を浴びた)ような髪色という表現をしようと思ったわけです。
料金:¥27,500
所要時間:フルブリーチの場合5〜6時間、リタッチの場合3〜4時間
僕が普段主に頂いている、ある種大喜利のようなヘアカラーの中には、今回のように「髪の毛でそれ自体を再現することは不可能」というお題も稀によくあります。
というより、そういうのばかりと言っても過言ではないでしょう。
けれど、それをあらゆる方向から検討し、解釈し、髪色に落とし込む。
そして、「想像とは違ったけど可愛い!」とか、あわよくば想像以上と思ってもらえるような仕上がりをご提供出来たらそれ以上のことは無いなと。
「こういう色合いが好きで髪色にしてみたいけれど、出来ないかな、断られちゃうかな?」と思っている方も、是非ご相談下さい。
可能不可能はさておき、仮に不可能なものであっても要素の抽出や解釈の擦り合わせで、少しでも理想に近い髪色を作らせて頂きます。
【華やかで品のある髪色が派手髪】
【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】
をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。
初めて僕のブログをご覧下さった方は必ずこちらのページを御一読下さい。
・Hanaカラーについて
・ホワイトヘアにするための条件
・何故1回のブリーチで白く出来るのか
・そもそもホワイトブリーチやケアブリーチって?
・どれくらいダメージするの?
・ブリーチってやっぱり染みて痛いものなの?
・どういう方に来て頂きたいか
といった、僕のブリーチに関する基本的な内容や、よくある質問はこちらの記事に纏めておりますので、こちらも是非ご覧ください。
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