ハイトーンカラーが好きでそれを専門にしている僕ですが、皆が皆ずっとハイトーンカラーを続ける訳ではないですよね。
気分は勿論、進学や就職、バイトの面接だってそうですし、ご家庭によってはお葬式や法事のために暗くする必要がある方もいると思います。
そんな時に、安直に黒染めや暗染めをしてしまうことは避けた方がいいことはご存知の方も少なくないと思います。
しかし、逆に黒染めや暗染めで使うようなカラー剤を使う必要がある場合もあります。
それは具体的にどういったタイミングなのか。
そういったカラー剤を使ったヘアカラーの色落ちはどうなるのか。
今日はそんなお話です。
ハイトーンからのトーンダウンで気を付けること
先ず確認なのですが、ハイトーンからトーンダウンをする場合、暗いカラー剤なら何を使ってもいいのかというとそういう訳ではありません。
暗いカラー剤、概ね8レベル以下のカラー剤の多くは、大なり小なり残る染料が使われています。
全てが全てという訳ではありませんが、カラー剤で明度を作る上で必要な染料があり、それがどうしても残りやすいものであることが多いため、
・何故トーンダウンするのか
・どれくらいの期間暗い方がいいのか
・その後どうしていきたいのか
といった点をキチンと確認した上で、使うカラー剤を選ぶ必要があります。
例えば
「トーンダウン後、真っ白に戻したい」となると、正直それはもう地毛が生え変わるのを待つしかありません。
「真っ白にすることはないが、ナチュラルハイトーンや鮮やかなお色にはしたい。」であれば、ベースの明度によってはある程度落ちるカラー剤を使う必要があります。
「少なくとも向こう半年〜1年は暗い状態を維持していきたい」という場合は逆に、しっかりと残るカラー剤を一度使う必要があります。
実際には染める前のベースの明度とお客様一人一人の事情に合わせて薬剤の設定をしますが、簡単にまとめるとこのようなイメージで決めていきます。
向こう半年はナチュラルブラウンでいたい場合のトーンダウン
という訳で今回は、先程挙げた例の三つ目。
半年〜1年はナチュラルブラウンでいたいというお客様の場合のトーンダウン例です。
トーンダウン前の状態
元々暖色系、特に表面部分はブリーチ無しのピンクブラウン系にされていたところから、17レベル程度までブリーチした上からカーキアッシュ系のカラーをさせて頂いておりました。
所謂ナチュラルハイトーン系のため、僕が普段作らせていただくようなスーパーハイトーン領域とは違い、暗く染めたとしてももう一度ブリーチできる程度には髪の毛の体力も残っており、多少の無茶も効く状態です。
気分的に暗くしたい&期間は半年から一年
ビフォアの状態から、
何故トーンダウンをするのか
どれくらいの期間暗くしていたいのか
色落ちした時にどうなった方がいいのか
その後また明るくする可能性はあるのか
等をお聞きし、薬剤設定をしていきます。
今回の場合、
外的な理由は特になく、純粋に気分で暗めにしたい。
期間は概ね半年から一年。それくらいで多分飽きるから。
色落ちした時もあまり明るくなりすぎずに、普通の茶色の範疇になるようにしたい。
ナチュラル系でいる間は、なるべく赤みの少ないカーキアッシュ系のブラウンにしていたい。
飽きてまた明るくしたくなる可能性は大いにある。
とのことでした。
今回の条件からするべきトーンダウンプラン
このような条件の場合、
・色落ち後も明るくなりすぎないこと
・一定期間後また明るくしたくなる可能性があること
この二点が重要になります。
・色落ち後も明るくなりすぎないこと
こちらを重要視する場合、ハイトーンからのトーンダウンであれば黒染めや地毛くらいの明るさまでしっかりと落とせるカラー剤を使用する必要があります。
これはどんなお色でも同じことなのですが、色持ちを良くしようと考えた場合、一回のシャンプーで落ちていく染料の量は一定であるため、単純に髪の毛の中に入れる染料が多ければ多いほど色持ちは良くなるからです。
その中でも、特に残りやすい染料を多く含む黒染めやそれに近いカラー剤を使用すれば、色落ちした時に金髪っぽい茶色ではなく、ナチュラルなブラン系に落ち着いてくれます。
・一定期間後また明るくしたくなる可能性があること
一方で、また明るくする可能性も十分にあるという場合、あまり残り過ぎてしまう染料を使ってしまうと、ブリーチしても落としきれなくなってしまいます。
特に、黒染めやそれに近いカラー剤を何度も使用していた場合、ブリーチしてもくすんだオレンジ色が強く残るため、寒色系が綺麗に発色しいくくなってしまったり、ホワイトは勿論パステル系も難しくなってしまいます。
この相反するような二点を、どちらもクリア出来るように設定する必要があります。
そのため今回のような場合は、
・トーンダウン1回目は、黒染めに近い染料を含んだカラー剤をベースに、色落ち時に赤みを抑えるカラー剤を混ぜたものでしっかりとトーンダウン。
・その色落ちで恐らくナチュラルブラウン程度に落ち着くので、それ以降は赤みを抑えるカーキアッシュ系の残留しにくい設定のカラー剤で中間から毛先は染め、根本はそれよりも少し暗めの設定で染めていく。
・万が一最初のトーンダウンの色落ちが想定よりも明るくなってしまった場合、今度は赤みを抑えるカラー剤をベースに、黒染めほどではないけれどしっかりと残ってくれる染料を含んだカラー剤を混ぜトーンダウン。根本はそれに合わせて設定する。
・少なくとも2回のトーンダウンでほぼ確実に明るくなりすぎることはなくなるので、それ以降は赤みを抑えるお色なり、ナチュラルの範囲内で出来るお色を楽しんで頂く。
というプランにさせて頂きました。
1回目のトーンダウンの色落ち
トーンダウン後の染めたての状態を撮り忘れてしまっていたのですが、真っ黒まではいかない地毛くらい明るさで、赤みの少ないカーキブラウンにさせて頂きまして。
それから1ヶ月後の色落ちの状態がこちらです。
ブリーチ無しでちょっと明るめに染めている方くらいの明るさかつ、黒染めや暗染め後特有の赤茶けた感じもない、ナチュラルなアッシュブラウン系に落ち着いてくれています。
この状態からであれば、特別暗いカラー剤を使わずとも、普通にオンカラーをしていくだけでもある程度ナチュラルの範疇でヘアカラーを楽しんで頂けます。
が、今回はお客様的に「色落ちした時、もうほんの少しだけ、暗くてもいいかな」ということだったので、ほんの僅かに暗くなる設定のカラー剤で染めさせて頂き、
こうなりました。
自分で言うのは恥ずかしいですが、ブリーチしていたとは思えないナチュラルさだと思います。
料金:¥10,000
所要時間:フルブリーチの場合5〜6時間、リタッチの場合3〜4時間
といった感じで。
ハイトーンからのトーンダウンはしっかりと計画を持って進めないと、後々やりたいお色が出来なくなってしまうこともあります。
また、今回のようなナチュラル系のお色の中での暗い明るいだけではなく、例えば僕が普段作らせて頂いているスーパーハイトーン領域から地毛を伸ばしてリセットしていく場合も、地毛とブリーチ毛の境界線をどういったアプローチをするか等。
「染めるだけ」に思えて、意外と考えることは沢山あります。
僕のブリーチなしのカラー料金はシャンプーブロー込みで10,000円と、平均からすると少しだけ高いかもしれません。
ですが、今回ご紹介した例のように、その場の仕上がりだけでなく今後どうしていきたいかのプランも含めたカウンセリングと、その間にちょっと気が変わったとしても対応できるような施術をしております。
トーンダウンはブリーチ以上に経過観察を必要とするため、2〜3回は通って頂く必要がありますが、キチンとしたプランのご提案の元施術をさせて頂きます。
今ブリーチありきのカラーをさせて頂いている顧客様方は勿論のこと、他店様でブリーチをしてきてトーンダウンをしたくなった方や、地毛やナチュラルブラウン系に戻していこうとお考えの方は是非僕にお任せ下さい。
【華やかで品のある髪色が派手髪】
【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】
をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。
初めて僕のブログをご覧下さった方は必ずこちらのページを御一読下さい。
・Hanaカラーについて
・ホワイトヘアにするための条件
・何故1回のブリーチで白く出来るのか
・そもそもホワイトブリーチやケアブリーチって?
・どれくらいダメージするの?
・ブリーチってやっぱり染みて痛いものなの?
・どういう方に来て頂きたいか
といった、僕のブリーチに関する基本的な内容や、よくある質問はこちらの記事に纏めておりますので、こちらも是非ご覧ください。
これらの記事をお読み頂いた上、日々のブログ・スタイルページ・インスタグラムなどをご覧頂き、【僕の理念やデザインに共感頂けた方】は是非、記事の一番下のLINEオフィシャルアカウントから、友達追加の上ご連絡ください。
LINEでのご予約手順はこちら
Twitterはこちら
Instagramはこちら
Al Chem オンラインショップはこちら
コメント