ブリーチもそうですし、カラーやパーマ、縮毛矯正など、美容室で行う全ての施術はダメージを伴います。
なんならカットやトリートメントだって多少なりともダメージしますし、もっと言えば生きてるだけで髪の毛は傷むものです。
だからこそそのダメージを最小限にし、お客様の希望を叶え、綺麗な髪の毛にするために僕たちは日々研鑽を重ねています。
しかし、綺麗にするためにはダメーじが伴うのもまた事実。
それを最小限に抑え綺麗にするのは僕たちの仕事ですが、綺麗を維持していくためには皆さんの協力が必要不可欠になります。
今日はそのご自身でのケアについてのお話です。
【華やかで品のある髪色が派手髪】
【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】
をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。
こちらの記事や日々のブログ、スタイルページ、インスタグラムなどをご覧頂いた上、僕の理念や作るスタイルに共感頂けた方は是非LINEオフィシャルアカウントから、友達追加の上ご連絡ください。
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ホームケアは何を使うかではない
これは僕が全てのお客様にお伝えしている内容なのですが、改めてこのブログを読んでくださっている全ての方に知って頂きたい、ご自宅での基本的なケアの内容になります。
「これを使うと髪の毛が綺麗になります!」とかそういう話でもありません。
何を使うかより更に前の基礎の基礎。
ご自宅でどのように扱えば綺麗な髪の毛を維持できるのかという内容になっています。
特別なことは一切無く、今日から始められる内容になりますので是非覚えて実践してもらえると嬉しいです。
ご自宅で起きるダメージの3大原因
まず、ご自宅で起きるダメージの原因についてです。
これを理解していただけると、ご自宅でこう扱って欲しいと僕がお伝えする意味もより分かりやすいと思いますので、是非覚えておいてください。
さて、その原因についてですが、大きく3つに別れます。
それは、
・熱
・摩擦
・シャンプー剤
この3つに集約されます。
それぞれ簡単にご説明させて頂くと…、
熱によるダメージとは
そのままですが、髪の毛に対して加わる熱です。
例えばシャンプーをする時のお湯の温度。
例えばアイロンをする時の温度など。
主にこの二つを気をつけて貰えたら十分です。
具体的に何度くらいが理想なのかは後述致します。
摩擦によるダメージとは
これもそのままですけれど、髪の毛に対して摩擦が起きるもの全般です。
例えばブラッシング。
例えばシャンプーの仕方。
例えばアイロンの通し方。
これらを気を付けることで、切れ毛になるリスクをグッと減らせます。
シャンプー剤によるダメージ
これはどんなシャンプー剤を使うかという話です。
と、その前にシャンプー剤ってどんな風に出来ているのかのお話をば。
シャンプーの特徴は界面活性剤の特徴
シャンプー剤には色々な成分が含まれていますが、主な成分は界面活性剤という洗浄成分になります。
正確にいうと、シャンプー剤の中に含まれている成分で一番多いのは水で、大体60〜80%を水が占めるのですが、それ以外の成分で言うと界面活性剤が一番多い成分になります。
これは水以外の成分の70%、全体で見ると14〜28%程度が界面活性剤と言うことになります。
それ以外の成分は水以外の成分の中で30%、全体で見ると6〜12%程度と言うことになります。
そして、界面活性剤以外のその他成分の中には、直接髪の毛や頭皮に関係しない、安定剤や防腐剤、金属封鎖剤や香料などが含まれています。
ですから、よく謳われている「〇〇成分配合で〜」というのは実際は全体の1%以下だったりします。
勿論、成分には有効濃度というものがあり、最低限それ以上は配合されているのですが、そもそもの割合的に界面活性剤の方が圧倒的に多いので、シャンプー剤の特徴は界面活性剤の特徴と言っても過言ではありません。
界面活性剤には色々な種類がある
この界面活性剤は洗浄成分でありながら、原料によって様々な種類があり、その特徴も様々です。
例えばよく悪者にされる高級アルコール系の界面活性剤。
これらは非常に洗浄力の強いもので、それ故に美容師さんから悪者扱いされがちなのですが、キチンと汚れなどを落としてくれる上、残留性が非常に少なく生分解性も高いため、環境汚染にも繋がりにくいなど、良い点も沢山あります。
皮脂が多く脂漏性皮膚炎になってしまっている方や、お仕事や部活動の関係で汚れがちな方の場合は、これが含まれている方が良い場合もあります。
逆に、アミノ酸系やPPT系、両性界面活性剤などは洗浄力も穏やかで、トリートメント成分に似た成分が残ってくれるため、洗い上がりがしっとりしていたり、乾燥肌の方に向いていたりします。
しかし、それだけ聞くとアミノ酸系やPPT系、両性界面活性剤の方が良い成分に思えますが、残るというのは頭皮に対しても同じで、敏感肌の方だったりするとそれ故に痒みに繋がり、掻いてしまうことでより悪化してしまうケースも少なくありません。
ですから、シャンプー剤、もっと言えば界面活性剤は良し悪しではなく”合う合わない”で選ぶべきなのです。
合わないシャンプーはダメージの原因に
基本的にシャンプー剤は頭皮を洗うものですから、頭皮の状態を基準に選んでいただきたいのですが、ブリーチなどのハイダメージ毛の場合洗浄力が強すぎてしまうと髪の毛のダメージに繋がってしまいます。
何故なら、シャンプー剤には髪の毛を膨潤させ、僅かですがキューティクルを開く作用があるからです。
健康毛の場合なら全然問題ないのですが、ダメージが進行していると、シャンプー剤の膨潤作用だけで内部物質が流出してしまったりします。
なので、シャンプー剤選びにも充分に気をつけて頂く必要があるわけです。
理想的なホームケア手順
ここまで、ご自宅で起きるダメージの原因についてご説明させて頂きました。
次は実際にこういう風に扱ってくださいという内容になります。
ご自宅で気をつけるべきなのは主に、シャンプー前〜ドライ、そしてスタイリングになります。
順を追って、シャンプー前からご説明していきます。
シャンプー前
ブラッシングは優しく丁寧に
よく、「シャンプー前にブラッシングをした方がいい」と聞きますよね。
これは実際その通りで、シャンプー前にブラッシングをすることで汚れの中でも大きなものを落とすことができるので、お風呂場での時短とダメージ軽減に繋がります。
しかし、無理なブラッシングや過度なブラッシングは逆に髪の毛を痛める原因にもなるため、
・なるべく引っかかりにくいブラシを使う
・髪の毛が引っかかってしまった時は無理に梳かさず、毛先の方から丁寧に絡まりを解くように梳かしてあげる。
・ハイダメージ毛の場合はむしろしない方がいい場合もある
といったことに注意してください。
引っかかりにくいブラシとしては、タングルティーザーなどがおすすめです。
シャンプー前の予洗いはぬるめのお湯でしっかり
シャンプー剤をつける前に必ずお湯で濡らしますよね。
この時のお湯の温度が高すぎるとダメージの原因と乾燥肌の原因になります。
また、この時点で丁寧に予洗いをしてあげることで、汚れの7〜8割を落とせるので、洗浄力の低いシャンプー剤でも汚れを落としきることが出来ますし、シャンプー剤の節約にも繋がります。
予洗いの際の注意点をまとめると…、
・38〜39℃が理想的。寒い日は40℃までならギリ許す
・予洗いは3分くらいかけて丁寧に。頭皮にしっかりとお湯がいくことを意識して。
シャンプー剤とやり方
シャンプー剤選び
基本的に、ご自身で判断するのではなく、美容師さんに判断してもらうのが一番です。
ご自身で判断し使用するのは、言わば市販薬を使うのと同じで、我々美容師が診断するのは薬剤師さんが処方するのと同じと思ってください。
勿論、我々は売りたいからオススメしているのではなく、その方の頭皮の状態や髪の毛のダメージ、なりたい髪質に合わせて一番良いものをお伝えしています。
これはどうしたって、文章やお写真では判断できないので、実際にご来店頂いてからの判断になります。
なので、シャンプー選びに関してはこの記事内では明言できませんのでご了承ください。
シャンプー剤をつける前に
シャンプー剤を手に取ったら、もこもこになるまで泡立てましょう。
液体のまま髪の毛や頭皮に付けるなんて以ての外です。
何故なら、泡立てるという行為がもう既に摩擦になってしまうからです。
更に、泡立ちが悪いと頭皮に残留しやすくなってしまいます。
なので、
・シャンプー剤はもこもこに泡立ててから頭皮につける
ようにしてください。
ガシシャンは絶対NG
よく、美容室でのシャンプーのようにシャカシャカと頭皮を擦るように洗ってくださる方がいます。
しかし、これは実はあまり良くないことで、シャンプーの際にあまり擦ってしまうと、その摩擦で頭皮の乾燥に繋がったり、頭皮を擦っている間に多少なりとも髪の毛を引っ張ってしまい、切れ毛の原因にもなってしまいます。
なので、
・シャンプーは毛流れに沿って頭皮をマッサージするように
・間違っても美容師さんがよくやるようなシャカシャカ洗いはNG
そして、
・予洗いと同じく、2〜3分くらいかけてしっかりと流す
ことが大事になります。
シャンプー後のドライ
タオルドライは優しく包むように
お風呂から上がった後、全身をタオルで拭きますよね。
その際、タオルでゴシゴシと擦ってしまうと、シャンプーの時にゴシゴシするよりも更に強い摩擦になってしまいます。
なのでオススメなのは、
・まずはタオルを方にかけて頭皮を軽く指先で弾くようにして根元の水分をおとす(何回か繰り返す)
・その後、タオルで優しく包んで全体の水分を取る
・その後、毛先を再度タオルで包んで水分を取る
という流れで行ってください。
ドライヤーでのドライ
アウトバストリートメント
所謂洗い流さないトリートメントです。
これは間違いなくオイルタイプのものを使いましょう。
特に、シリコンがちゃんと含まれているものがいいです。
ブリーチ毛の場合どうしても湿気で広がりやすくなったりしますし、艶を出すためにはミルクタイプなどだと相性が悪くなってしまいます。
なので必ず、シリコンの含まれているオイルタイプのものを使用しましょう。
ドライヤー選び
ドライヤーも、最近はすごく色々なものが出てきて、どれを選んだらいいのかなって思いますよね。
ドライヤー選びの基準としては
・温度よりも風量優先
・センシング機能という、温風と冷風が自動で切り替わる機能があったら尚良い
というくらいかなと。
逆に、温度が高くて風量の少ないものはあまり良くないです。
センシング機能はあったら楽ですが、必須ではないのであまり気にしなくて良いです。
ドライの仕方
実際のドライの仕方としては
・まず根元を乾かす
毛先よりも根元の方が毛の密度が高いため乾きにくく、毛先は逆に密度が低いため早く乾き、毛先から乾かしてしまうとオーバードライというダメージの原因になります。
なのでまずは根元を乾かしてあげたら、
大体でいいのでブロッキングを取って
毛束を手で持ち、根元側からドライヤーの角度がなるべく45°以下になるように当ててください。
そうすることで、髪の毛のキューティクルを綺麗に抑えることができ、ブローやアイロンをしなくても比較的綺麗にまとまるようになります。
それが難しい場合は…
こういう風に、下を向いて後頭部側から乾かしてあげてください。
これだけでも、頭の形に沿って乾かせるので、自然とまとまるようになります。
ブラシは基本的に通さない方がいいです。
髪の毛は濡れるとキューティクルが開くので、まずはブラシも指も通さずに、なるべく面で乾かしましょう。
ブラシで内巻きにしたいときなどは、ある程度乾かしてからにしましょう。
完全乾燥させる
そしてもう一つ気をつけていただきたいのが、完全に乾かしきるということ。
たまに僅かに湿っているくらいの方がいいという方もいらっしゃいますが、基本的に完全乾燥させてください。
何故なら、髪の毛は水分を含むとキューティクルが開く性質があるため、中途半端な乾かし加減だとキューティクルが閉じきらず、そのまま擦れることで切れ毛の原因となってしまいます。
また、根元の方が乾き切っていないと、頭皮の皮膚常在菌が過剰に繁殖し、痒みや臭いの原因となってしまうからです。
乾かしすぎも良くないですが、乾かし切っていないのも良くないので、冷風を当てても冷たくならないことを基準に乾かして下さい。
アイロンを使ってスタイリングする場合
ブリーチ毛なら120℃以下
何故なら、髪の毛はタンパク質で出来ていて、タンパク質は熱が加わると固まってしまう特徴があります。
ドロドロした生卵に熱を加えたら固まりますよね。
髪の毛も同じ現象が起き、これを熱変性と言います。
この熱変性は、カラーやパーマなどをされていない健康毛の乾いた状態で130℃から起きると言われています。
ブリーチなどによってダメージが進行すると、外部からの刺激を受けやすくなるので、その温度はもう少し下がってきます。
勿論、アイロンを当てた瞬間髪の毛がアイロンと同じ温度まで上がるわけではありませんが、元の設定温度が低ければ温度の急上昇も抑えられますし、それ以上にはならないので安心です。
ただし、時間がかかってしまうとその分髪の毛の温度も上がるので
・アイロンの扱いに慣れていて手早くできる人で120℃
・アイロンを使うのが苦手、慣れていない人は100℃以下
で行って下さい。
ドライヤーでのドライがうまく出来ていれば、アイロンの温度が低くてもキチンとまとまってくれますし、
丁寧に巻いてあげれば低温でも綺麗に巻けます。
低温でも巻けるしキープできる
「温度低いと巻けないしすぐ崩れちゃうんじゃない??」
と思っているそこの方。
ホットカーラーの温度は、メーカーにもよりますが90〜110℃です。
けれど、ちゃんとカールがついてますし崩れないですよね??
それが何よりの証拠で、温度が低くても時間をかけてあげれば巻けますし、
アイロンやカーラーでのキープ力は巻いた時の温度ではなく、巻いた後にキチンと冷ましてあげることで上がります。
低温でもキチンと巻けて、キープできるのです。
絶対NGなアイロンの仕方
ストレートアイロンで癖を伸ばしたい方の場合、伸ばしたい気持ちが強すぎて、グッっとプレスしてしまう方がいます。
これをやってしまうと髪の毛が潰されてしまい、一気にダメージしてしまいますし、そのまま毛先まで動かしてしまうと摩擦で一気にダメージが進行してしまいます。
なので、ストレートアイロンを使う場合は
まず反対の手で、痛くない程度にキチンとテンションをかけて(張って)持ち
潰してしまわないように優しく挟み、
スッと通してあげて下さい。
それだと伸びないんじゃないかなと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、クリックリなウェーブが出る癖毛の方でない限り、特に毛先のハネなどは根元の毛の向きに因るものですし、根元が収まる方向を向いていれば大体綺麗に治ってくれます。
なので、ストレートアイロンを使うのはあくまでちょっと面を整えて艶を出すためのものだと思って下さい。
ブリーチ毛のホームケアまとめ
長くなりましたが、ご自宅で気をつけて欲しい髪の毛の扱い方は以上になります。
特別なことをするというよりも、大多数の方が普段当たり前にしていることを、すこーーーしだけ気を付けて頂くだけで髪の毛のコンディションは大きく変わります。
最後に、冒頭でお話ししたご自宅での髪の毛のダメージ3大原因ごとにまとめておきますので、是非ご自宅でも気を付けて、綺麗な髪の毛で綺麗な髪色を楽しんで頂けたらと思います。
熱
・お湯の温度は38〜39℃
・アイロンの温度は慣れている人で120℃以下、不慣れな方は100℃以下
・押し潰すようなアイロンの仕方はNG
摩擦
・過度なブラッシングはNG
・シャンプーはもこもこに泡立ててから頭皮につける
・ガシシャン絶対NG、頭皮を揉むように
・タオルドライは優しく包むように
・ドライヤーで乾かすときは指もブラシも通さず面で乾かす
・アイロンはサラッと通すだけ
シャンプー剤
・美容師さんにキチンと診断してもらう
気を付けることは多いですが、是非実践してみて下さい。
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