少し前からそうですけれど、今の時代にカラーやパーマ・縮毛矯正の履歴がない方ってかなり少ないですよね。
特にここ最近は”ブリーチブーム”的な風潮があり、履歴がどんどん複雑になっていっているように感じます。
そんな中で、”透明感を出す”とか、”ホワイトやそれに近いブロンドにする”とかってなると、非常に難しく…、なんなら不可能な場合もあります。
今日はそういった、履歴的にかなり難しいとなった時にどのようなことができるのかといったお話をば。
【華やかで品のある髪色が派手髪】
【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】
をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。
初めて僕のブログをご覧下さった方は必ずこちらのページを御一読下さい。
・Hanaのブリーチ技術について
・ホワイトヘアにするための条件
・何故1回のブリーチで白く出来るのか
・そもそもホワイトブリーチやケアブリーチって?
・どれくらいダメージするの?
・ブリーチってやっぱり染みて痛いものなの?
といった、僕のブリーチに関する基本的な内容や、よくある質問はこちらの記事に纏めておりますので、こちらも是非ご覧ください。
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セルフカラーを繰り返す危険性…
というわけで今回ご紹介するのはこちらの方。
美容室でカラーをされることもあったそうですが、セルフカラーを複数回繰り返されていたお客様。
根元の方を良く見ると、白髪も少しありますよね。
こういった履歴の方の場合、2つの理由からご希望のお色にするのが難しくなります。
①ダメージで必要な明るさまでブリーチできない
先ず何よりも怖いのがダメージです。
市販のカラー剤って、どういった髪質の方が使うかわからないですよね。
比較的明るくなりやすい・染まりやすい方が使うかもしれませんし、明るくなりにくい・染まりにくい方が使うかもしれません。
染まりやすい髪質の方はいいですが、染まりにくい髪質の方の場合薬剤のパワーが弱いと殆ど変わらないこともあります。
染まりやすい方を基準に作ってしまうと、染まりにくい方が使った時に
「このカラー剤全然染まらない!」
となってしまうことも…。
そうなったら、そのカラー剤は売れないですよね。
なので、市販のカラー剤は基本的に染まりにくい方を基準に作られていると言われています。
それがどういうことかと言うと、極端に言えばブリーチに近いパワーを持っているということです。
ですから、市販の薬剤を使ってセルフカラーを繰り返すということは、セルフブリーチを繰り返すことと同じと言わざるを得ません。
セルフでなくとも、ブリーチを繰り返すということは非常に危険なことなのは、美容師でなくても分かりますよね。
②染料が残留してしまい必要な明るさにできない
もう一つは染料の残留です。
市販のカラー剤の場合、色落ちが早いと
「このカラー剤、すぐ色落ちする!」
となり、矢張りそれも売れなくなってしまいますよね。
では色落ちしにくくする、色持ちを良くするためには何が必要なのか…。
そもそも、色落ちしたと感じるか否かのポイントがどこなのかという話で。
ブリーチありきの所謂派手髪やハイトーンカラーと、ナチュラル系のブラウンヘアによって変わりますが…。
一般的なナチュラル系カラーの場合、染めたてよりも明るくなると色落ちしたと感じる方が多いです。
裏を返せば、染めたてからしばらく経ってもブラウン味がキチンと維持できていれば色持ちがいい、ということになります。
そのために何が必要かというと、黒染めや白髪染めなどに多く含まれている暗く濁ったオレンジみの赤の染料。
これが良くも悪くも残留します。
この染料が多く含まれる薬剤でカラーをされたり、含まれるカラー剤によるカラーを繰り返していると…、
このように、オレンジが強く残ってしまいます。
こちらのお2人はどちらも本来ならホワイトにできるブリーチをさせて頂いた方ですが、それでもこれくらい残留してしまいます。
染料が残留するということは、光の透過率が下がるということ。
つまり、透明感が失われる、濁った色になってしまう。
光の透過率が下がってしまうということは、光の透過率がマックスで色味がない状態である白にはできなくなるということです。
トーンマップ で言うところの中明度以下ヴィヴィッドトーンよりも明度が低い色合いであれば作ることができます。
しかし、ホワイトやそれに近いブロンド、パステルトーンは勿論のこと、ソフト・ライトグレイッシュトーンよりも明るい色合いにすることはかなり難しい…、ほぼ不可能になってしまいます。
それを踏まえてビフォアの再確認
改めて、お客様の状態を見ると…、
色落ちしてしばらく経っていますが、茶色を通り越して赤みのオレンジのような、オレンジみの赤のような状態になっておりますよね。
これは何故かと言うと、
・市販の薬剤のブリーチ作用で、髪の毛のメラニン色素がかなり削られている
・残留しやすい染料が重なっている
この2つから、良くも悪くも透明感が出てしまい、残留しやすい染料の赤みやオレンジみが強く出てきている状態です。
透明感が出ている、と言っても残留しやすい染料が重なっており、その染料はブリーチしても落とせません。
ですから、これ以上の透明感は出せません。
更によく見ると、中間あたりからかなりダメージが進行しており今の状態からブリーチするのはかなり危険な状態ですし、かなりムラもありますよね。
セルフカラーの繰り返しでご希望のお色にするのが難しい時は…
今回のオーダーはレインボー。
全体をブリーチするかポイントにするかは悩み中とのことでした。
今出来ること・出来ないこと
で、上記の話を踏まえて何が出来る・出来ないかと言うと…、
・全体ブリーチをするとしたら、中間から毛先はちょっと染料を落とす程度になってしまう。
・中間から毛先のベースの明るさを上げる事が難しい以上、ビフォアの状態より透明感のある状態には出来ない。
・根元の方は良くも悪くも綺麗に明るく出来る。
・根元は綺麗に明るく出来るが中間から毛先が濁ってしまう以上、全体をブリーチするのなら中間から毛先で出来る明るさまでに止めないと、根元の方が明るく透明感があるのに中間毛先が暗く濁った状態になってしまう。
です。
ですが、前向きに考えるのなら
・根元はキチンと明るく出来、透明感も出せる
・中間から毛先は既に明るくなっている状態
という事です。
それを踏まえた上でのご希望は…
で、色々お話した結果、今回一番優先したいのは…、
「今出来る、一番楽しい髪色にしたい!」
これちょっと自画自賛になるのですけれど、今回ご来店頂いた理由は
「インスタやググったりして色んな美容師さんの作品を見た中で、Hanaさんの作っている髪色が一番楽しいと思ったから。」
とのことでした。正直泣きそうになりました。
なので、今出来る髪色で一番楽しく出来るようにしようと。
そう思い…、
①現状を活かしたグラデーション
先ず1つは、
この、オレンジみが強く出ている状態を活かしつつ、気になる白髪をしっかり染めて…
ベースはこう。
嫌な赤みを少し抑えたナチュラルブラウンと、残留の色味を少し補正したオレンジへのグラデーション。
根元から中間までの暗くした部分は白髪が染まるようにしています。
ですが白髪染めの薬剤は使っていないため、今後一番ダメージの蓄積されている毛先がカットでなくなってきた時に、また明るくすることもできます。
②鏡を見るたびに楽しくなるようなバングカラー
これだけでは、綺麗ですけれど”楽しい髪色”とは言えないですよね。
なので、楽しいポイントとして…、
前髪に、カラーグラデーションのレインボーです。
前髪って、髪の毛の中で鏡を見た時に1番目に入る場所ですよね。
そこがレインボーだったら、鏡を見るたび楽しくなるかなって。
また、この前髪部分はカラーなどの履歴が一切ない部分だったので、キッチリホワイト領域まで明るく出来ています。
なので、色落ちもこの染めたてのお色がそのまま薄まっていき、最終的には綺麗なブロンドに色落ちしてくれます。
色落ちも綺麗だと、色落ちしても楽しいですよね。
③粋なインナーカラー
ここまでであれば、普通の髪色と言われるでしょう。
まだ安牌の領域は出ていません。
安牌ベタ降り出来る技術も必要ですが、時には攻める胆力も必要ですよね。
勿論、攻め所を見誤らない冷静さも必須です。
現状、攻めても大丈夫なのはカラーなどの履歴が一切ない根元のヴァージンヘアの部分。
なので…。
これくらいの範囲をブリーチします。
ブリーチしていますが、
この通り、毛先はオレンジで統一されていますよね。
では何をしたかというと…
こうです。
お話を伺っていると、普段アップスタイルにすることもあり、その時は比較的高い位置で髪の毛を結ぶことが多いということでした。
なので、何度か普段結ぶ位置を見せて頂き、結び目の平均的な位置までをブリーチ。
そのブリーチした部分を、前髪との対比になるよう縦のストライプでレインボーにしました。
後ろ姿が、下ろしていると普通に綺麗なグラデーション。
アップにするとレインボーが見える。
イメージは、男性の和服で言う裏勝り。
表は地味で質素な感じだけど羽織の裏地に華やかな柄を仕込むように、下ろしてると比較的ナチュラルでアップにして初めて見える位置に華やかなデザインを仕込む。
そういう粋な文化って、とても格好いいし楽しいと思うんです。
…はいそこー、前髪のレインボーは?とかツッコまないのー。
メニュー:Hanaカラー_point(¥20,000)+Hana式トリートメント(¥5,000)
所要時間:6h
と言った感じで。
カラー、その中でもブリーチが必要な髪色にしたいとなった時、履歴によっては本当に不可能な場合もあります。
作れる色が限られることもそうですが、ダメージ度合い的にそもそもブリーチができないことも。
そういった履歴によって出来ないことがあるとなった時。
それはそれと受け入れて頂ければ、ご希望を100%叶える事が出来なくてもその履歴を活かして今出来る最高に楽しいデザインを作らせて頂きます。
なので、そういった難しい履歴が重なっている方も先ずはご相談ください。
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