色持ちが良い髪色作り方考え方とグレー系カラーを一番長く楽しむ方法

少し前にも書きましたが、僕がお客様から頂くオーダーの中でも、グレーやシルバー系は比較的多いなと感じています。

 

鮮やかな色にするのは嫌だけど茶色も嫌だ…。

となると行き着くのは明るめのモノトーン系。

それ以外にも、落ち着いているけれど透明感があって柔らかな印象になる、とかね。

 

兎角、色々な理由で今でも人気の高い髪色の1つだと僕は思います。

 

そんなグレー系の髪色ですが、実は色持ちがあまり良くないお色だったりします…。

ですが、ある方法でその色持ちを格段によくする事ができます。

今日はそのお話を、色持ちの定義や色落ちの方程式を交えてお話し致します。

 

 

 

髪色の色持ちを良くする方法

 

どんな髪色でもよく聞くのは、

「色持ちが良くなるように少し濃いめに染めますね〜。」

と言うワード。

 

これは、ある意味では正しいのですが、ある意味では間違っている場合もあります。

何故ならば、色持ちの定義と色落ちの方程式によってその正誤が変わってくるからです。

 

 

 

”色持ちが良い”の2つの意味

 

まず色持ちが良いの定義について、共通認識を確立したいと思います。

僕が今まで様々なお客様の髪色を作らせて頂いていたり、沢山の美容師さんの仕事を拝見したり考え方について議論した中で考える色持ちが良い状態は主に2つの意味を持つと考えます。

 

 

 

①染めたての色相が長く続くこと

 

1つ目は言わずもがな、染めたてのお色が長く続く状態のことです。

厳密に言えば、例えばストロングトーンくらいの青紫に染めた場合、そのトーンが維持されるのは髪質や染め方次第ですが1〜2週間程度で、その後はどんどん薄まっていきます。

しかし、色を入れる前段階のブリーチで作ったベースが綺麗に作れていると、染めたてのお色がそのまま薄まっていくような色落ちをしてくれます。

 

色が薄まっていくこと自体は避けることのできないことではあります。

しかし、薄まっていったとしても染めたてのお色がそのまま薄まっていき、染めたての色は薄まったけれど”薄まったその色”と認識できる状態であれば、多くの方は色持ちが良いと認識して頂けると思います。

 

 

 

 

例えばこのような鮮やかなピンク…、マゼンタあたりで染めた方が、

 

 

 

 

2ヶ月後にこのような薄くなっているけれどピンクと認識できる、白だけどピンクみがかった感じみたいな色落ちをすると、「すごい色持ちが良い!」と感じて下さります。

 

なので、色持ちが良い状態の定義の1つは、染めたての色相が長く続くことだと僕は考えます。

 

 

こういった色落ちを作るには、

 

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この辺りの記事で解説しているような色落ちの方程式を理解している必要があります。

その色落ちの方程式について解説するととんでもない長さになってしまうので、ご興味ある方は是非上の記事をご覧ください。

 

 

 

②色落ちしてもギラつかないこと

 

色持ちが良いことの定義のもう1つは、色落ちしても嫌なギラつきが出ないことだと僕は考えます。

 

これに関しては僕が普段させて頂く仕事の内容的にほぼ無い案件なのですが、Al Chemのオーナーのチダのお客様に多いコンサバティブやナチュラル系が好きな方に多いと感じます。

というのも、ブリーチをしない普通のアルカリカラーだけで作る、特に9lv以下の明度の方だとあまりいらっしゃらないのですが…。

10lv以上の明度やハイライトを入れていたり、最近よく聞くカラー剤で繰り返しカラーをされていたり、ブリーチをした履歴のある方など。

こういった履歴がある方は、色持ちが悪いと仰る方が多いなと感じます。

 

というのも、ブリーチや明度の高いカラー剤でカラーをされていると、メラニン色素を沢山削ってしまい、色落ちしたときに黄色が出やすくなってしまいます。

黄色味が強く出てくる領域まで明るいということは、明度で言えばかなり高い部類になりますから、どうしても色持ちが悪くなりがちで比較的直ぐに明るくなってしまうこともあります。

 

加えて、昨今流行のカラー剤は良くも悪くも綺麗に色落ちをしてくれるように作られています。

というのも、昔からあるカラー剤の多くはベースが茶色に設定されており、良くも悪くもその茶色が残ってくれていました。

しかし、最近のカラー剤の多くは”赤みを抑える”ことを主軸に染料が構成されております。

”色相によって赤みを抑えること”と、”髪の毛に元々ある赤褐色のメラニン色素を削ること”の2つを行うことでそれを叶えているのですが、こと”色持ち”に関してはどうしても悪くなってしまいます。

何故なら、赤みを抑えるために必要な色相は元々色持ちがあまり良く無い部類の色相で且つ、メラニン色素を削ってしまうためです。

 

そういった理由から、明るめのカラーをされていたり、元々ブリーチをされていたり、昨今流行りの赤みを抑える系のカラー剤で繰り返しカラーをされている方の場合、どうしても色持ちが悪くなりやすいです。

 

その解消法として、擬似的にメラニン色素に近い色を作るという方法があります。

すると、色落ちしたときに比較的ナチュラルなブラウンになってくれるため、嫌なギラつきや黄色味が出てきにくくなり、色持ちが良くなったと感じて頂けることが多いです。

 

 

 

①と②はどちらも正しい方法

 

余談になりますが、この2つの方法はどちらも正しい方法です。

 

何故なら、

①の方法は良くも悪くもキチンと色落ちしていってくれるため、次のカラーで明るくしたり色を変えたいとなった時に支障が出にくいですが、色落ちをしていくに従ってどんどん明るくなっていきます。

②の方法の場合、良くも悪くも茶色が残ってくれるので、嫌なギラつきや黄色味が出にくく落ち着いた状態をキープできますが、その茶色は中々抜けないので次のカラーで明るくするとなると難しいこともあります。

 

ブリーチ剤は、メラニン色素は簡単に壊すことができます。

しかし、カラー剤で入れた染料は色によっては壊すことができないものがあります。

擬似メラニンに当たる染料というのはその筆頭です。

ですから、次のカラーでまた明るくしたいとなるとどうしても難しくなってしまうわけで…。

 

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こちらの記事でその一例をご紹介しており、これが僕の仕事ではほぼ無い所以で。

 

僕のお客様の場合、次も明るめのお色にされたり透明感のあるお色をご希望されるお客様が多くを締めます。

なので、擬似メラニン的な染料は極力混ぜずに作らせて頂くことが正解の場合が多いです。

 

逆に、チダのお客様のようなコンサバ・ナチュラル系をご希望される方の場合、明るくなりすぎてしまうとどうしてもモード寄りになってしまいます。

なので、擬似メラニンを入れて色落ちした時にブラウンが残るように作ることが正解の場合が多いわけで。

 

お客様が求めていらっしゃるものが違うのですから、どちらも正解なわけです。

そして、ここまでお読み頂いたらお分かりかと思いますが、

「色持ちを良くするために濃いめに染める」というのはどういう意味で濃くしているのか次第で正解でもあり不正解でもあるわけです。

 

 

 

最初からグレー系に染めると色落ちが早く残留しやすい

 

で、枕の話に戻りまして。

 

グレーの色持ちは基本的にあまり良く無いことが多い

 

です。

 

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「あれ?この記事で”グレーやシルバーなどのモノトーン系のお色は残留しやすい”って書いていましたよね…?」

と思われた方もいると思います。

 

ですが、色持ちが悪いことと残留しやすいことは相反するものでは無いのです。

 

 

 

色持ちが悪いことと残留することの違い

 

先ほどまでの内容にある通り、

 

色持ちが悪いということはつまりその色をその色として認識できる期間が短いことか、直ぐに明るくなってギラつきや黄色味が出てきてしまうことのどちらかですよね。

そして、残留しやすいということは擬似メラニンの染料が残ってしまい次のカラーの時に明るくしたり透明感を出すことが難しくなってしまうことです。

 

ですから、

②のギラつきや黄色味が出ないことと残留することが相反しないのは言わずもがな。

①の色持ちが良いのように、その色味がその色味として認識できる期間が長いかどうかと、残留することもまた、相反するわけではありません。

 

そして、グレーやシルバーなどのモノトーン系のお色の場合、

 

グレーやシルバーなどのお色がその色として認識できる期間は短いが、色落ちした時に擬似メラニンのような染料が残留してしまい次のカラーの邪魔をしがち

 

ということなのです。

 

 

 

グレーを最も長く楽しめて次のカラーの邪魔をしにくく作るやり方

 

ではそんな色持ちが悪い割に次のカラーの邪魔をしてしまいやすいグレー系の髪色を、可能な限り長く楽しめて且つ次のカラーで邪魔をしにくいようにするにはどうすれば良いのか…。

 

それには、先ほどサラッと触れた色落ちの方程式を理解している必要があります。

 

 

 

グレーを長く楽しみ次のカラーの邪魔をさせたく無い時は”色落ちでグレーにする”

 

先ず、グレーを作る要素というのは、

 

・イエロー領域以上の明度が必須。

・無彩色なので、有彩色のメラニン色素or残留色素の補色が必要になる。

 

加えて、

 

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よく頂く質問の1つに、 「この色にしたら色落ちってどうなりますか??」 というご質問があります。 これに対する回答って、難しいというか…。 キチンとご説明しようとすると、物凄い長文になってしまうんですよね。 ...

 

こちらの記事で書いている色落ちの方程式に当てはめて考えると、

 

・ヴァージンヘアからブリーチしている場合、黄色が最後まで残る。

・イエロー領域のベースだとベージュっぽい色落ちになりやすいのでホワイト領域か、イエロー領域でもホワイト領域に近いベースが必要。

・その補色は青み寄りの紫乃至は紫み寄りの青。

 

ということになります。

 

これらを踏まえた上で…、

 

 

 

 

 

 

こちらのホワイト領域に近い明るさまでブリーチさせて頂いていて、前回はニュートラル〜緑みがかった青系で染めさせて頂いていたお客様に、

 

 

 

 

 

 

こんな感じで青み寄りの紫系で染めると、その3週間後には…、

 

 

 

 

 

 

このように、僅かに青みがかったグレーになってくれます。

 

そして、ここからどう色落ちしていくかというと…、

 

 

 

 

 

ここから先は紫シャンプーを使うことでかなり長い期間グレーを維持することができます。

 

実際に、

 

色落ちしても綺麗で色落ちもデザインするHanaカラーについて
ヘアカラーで絶対に避けられない色落ち。折角綺麗な髪色になっても色落ちしたら汚くなったら悲しいですよね。避けられないからこそ、色落ちまでを想定したカラーをしています。色落ちまでデザインする僕のカラーの拘りをまとめました。

 

こちらでご紹介している方の色落ちの画像は、染めてから2ヶ月以上経っているのですが、綺麗なグレーが維持されていますよね。

 

そしてこの青みの紫や紫みの青で作ったグレーは比較的取り除きやすく、次のカラーの邪魔もしにくいです。

 

なので僕はグレーやシルバー系の髪色をご希望されているお客様には、ホワイト領域近くまでしっかり明るくして、青みの紫や紫みの青染めて、色落ちでグレーにするという方法をご提案させて頂くことが多いです。

 

 

 

 

 

メニュー:ホワイト・ブロンド(¥20,000)+Hana式トリートメント(¥5,000)

所要時間:6h

 

 

 

といった感じで。

 

色持ちが良いことの定義とそのメリットデメリット。

グレー系の髪色を長く楽しめて次のカラーの邪魔をしにくいように作る方法。

の2本立てで少し長くなってしまいましたが、少しでもヘアカラーについてご理解いただけたらなと思います。

 

また、今回は「色落ちした時にグレーになるように」と作らせて頂いていますが、勿論「染めたての色味がそのまま薄まっていくような色落ち」も作れます。

 

どんなお色にしたいかは勿論のこと、色落ちした時の状態がどのような状態でありたいかだったり、次回以降どのような髪色にしたいかなども非常に大切な要素で、それを無視してヘアカラーをする事はできないと僕は考えます。

 

なので、どうしてもカウンセリングでお聞きすることが多く長くなってしまいますし、場合によっては不可能とお伝えるつことも多々あります。

しかしそれは、数多くいる美容師さんの中から僕を選んできて下さった方に対する誠意だと僕は考えています。

 

もしかしたらそれを「面倒臭い」と感じられる方もいらっしゃるかもしれませんし、「出来ないなんて言われた…」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、決して悪意があるわけではなく、事前カウンセリングでお聞きした履歴と今後の展望によって、今出来ることと今するべきことが決まってきます

なのでどうか、ご理解頂けたらと思います。

 

そして、ご理解頂きご来店下さる方には、その方がお幾つになられてもずっと綺麗な髪色と髪の毛を身に纏って頂けるように尽力致します。

染めたては勿論のこと、色落ちしても綺麗で、色落ちまでを想定し、次の髪色や今後の展望と気分が変わることまで考えてカラーをさせて頂きますので、綺麗な髪の毛で綺麗な髪色を身に纏い続けたい方は是非僕にお任せください。

 

 

 

 

 

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・Hanaのブリーチ技術について

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