黒染めを使わないから次のカラーへの支障が少ないフェイクブラック

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黒染め履歴有り
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黒染めをしてしまうと、次のカラーが難しくなる的なお話をさせて頂いております。

しかし、今の日本で生きていると”どうしても黒染めをせざるを得ない時”があったりしますよね。

そんな時にオススメな、黒染めや暗い茶色を使わずに作る黒髪カラーがあります。

今日はそんなお話をば。

 

 

 

【華やかで品のある髪色が派手髪】

【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】

をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。

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黒染めや暗いブラウンはどうしても残留してしまう

 

そもそも、何故黒染めや地毛くらいの暗い茶色は残留してしまうのか。

それは”髪色を暗くする”ために必要な染料が原因になります。

 

 

 

黒は色というよりも状態

 

白〜黒までの色相と彩度を持たない明度だけの色を無彩色と言いますよね。

この無彩色は、明度だけ、つまり光をどれくらい透過するかでその色が決まります。

 

例えば

 

 

白であれば、色味が一切なく、光がほぼ100%通過する状態です。

 

 

 

 

グレーであれば、色味が全くなく、光をそれなりに通す状態と言えます。

 

 

 

 

 

そして黒は、色味が一切なく光をほとんど通さない状態になります。

 

 

 

白に・明るくするためには透過率を上げる。

 

白のように光の透過率をマックスに近い状態にするためには、当然ブリーチをします。

 

その究極系は白熊の毛

彼らの毛って白いというわけではなく、透明でかつ、毛自体がストローのように毛の真ん中あたりに空洞があります

元々色味が一切ない上に、毛の中に空洞があることによって太陽光の全てが反射することで、色味を感じずに白く見えるわけです。

 

髪の毛でこれをしようとした場合、毛髪内部の物質のほとんどを流出させるほどのダメージを与えなければ作れません。

それは、髪の毛の明るさの物差しであるレベルスケールでいうところの19lvを超える明るさになります。

しかし当然のことながら、髪の毛、特に日本人の髪の毛は19lvを超えてくると途端に脆くなってしまいます。

 

男性で半年もすれば生え変わるくらい短い髪型の方であればそこまで問題ではないかもしれません。

しかし、僕のお客様の多くは女性で、大体耳が隠れる長さよりも長い方が多いです。

それはつまり、根元の毛が毛先に行くまで1年以上かかる髪の毛ということ。

 

僕の経験則による判断になりますが、多くの方の髪の毛は19lvを超えてくると髪の毛の寿命は半年が限界になってきます。

なので僕はそれに近しいギリギリの明るさ、18.5lvを上限とし、綺麗な髪の毛と言えるコンディションの中で可能な限り白っぽく見えるように作ることを、施術する上でのルールとして定め、基本的にそれに則って施術させて頂いております。

 

とまぁ、僕のブリーチに対する拘りはさておき。

 

 

 

黒に・暗くするには透過率を下げる

 

さて、今日の本題に戻って。

 

黒や暗い色にするためには、当然白にしたり明るくするのとは逆に、光の透過率を下げる必要があります。

ではその光の透過率を下げるためには何をしているのか。

 

簡単に言えば、髪の毛の中に色を詰め込むということです。

とは言え、例えば青だけを詰め込んでも、物凄く濃い青にしかなりません。

 

白〜黒などの無彩色にするためには、

 

 

 

色相環

 

このように色をずらっと並べた色相環に於ける真反対の色、補色に当たる色を混ぜ合わせることで彩度を下げ色相を0に近づける必要があります。

なので黒染めや地毛くらいの暗い茶色にする薬剤には、様々な色が含まれています

 

その様々な色の染料の粒の大きさ(分子量)は色によって異なります

 

例えば青は分子量が小さく、簡単に入る代わりに簡単に出ていきます。

逆に、赤や黄色などは分子量が大きく、入って染まるまでに時間がかかる代わりに、良くも悪くも出ていきにくいので色持ちは良いと言えます。

だから、「青系は色持ちが悪くて赤とかは色持ちがいい」とかよく言われるわけです。

 

勿論、赤や黄色が必ずしも分子量が大きく青とかが小さいわけではありません。

しかし、現在使われている染料の多くはそういう傾向にあります。

 

 

 

分子量の大きい染料が残ってしまう

 

黒染めや暗いブラウンなどにしていた髪の毛にブリーチをすると…、

 

 

 

 

このようにオレンジが残ってしまいますよね。

 

これこそが、前項で書いた赤や黄色などの分子量の大きい染料が残っている証拠。

オレンジって、赤と黄色を足した色ですよね。

その赤と黄色の染料の中でも分子量が大きいものが残ってしまうわけです。

 

この残りやすい染料は黒染めや暗いブラウンは勿論のこと、概ね9lv以下のカラー剤の殆どに含まれています

特にグレーやモノトーン系のカラー剤は、無彩色にするためにほぼ必ず含まれています

ですから、基本的に9lv以下のお色やグレー・モノトーン系で残らない、残りにくいということはまず存在しません

 

 

 

なるべく残りにくい黒にするために…

 

暗くすると必ず大なり小なり残留するとは言え、その残留の多少を調整することはできます

 

例えば黒染めをすると、

 

 

 

 

先ほどのこちらの方や、

 

 

 

 

こちらの方のように、赤と黄色が非常に強く残留してしまいます。

しかしそれは、あくまで残留しやすい染料を主とした薬剤で染めた場合。

 

色味で黒を作る方法を知っていれば、

 

 

 

 

このように、赤みが少ない色落ちをさせられます。

こちらの方は元々茶色だったところから黒くしたので、色落ちも茶ですが、

 

 

 

 

元々ブリーチしていたところから黒くすると、ベージュのような赤みが少ない色落ちをさせられます。

これくらいの色落ちだと、このまま色を乗せても綺麗に発色させられますし、軽くブリーチすればある程度綺麗なお色に出来ます

 

 

 

赤みが残りにくく次のカラーがしやすいフェイクブラック

 

この残留が少なく次のカラーがしやすい黒髪カラーを僕はフェイクブラックと呼んでいます。

ちなみに数年前、某業界紙に取り上げて頂き、他所の美容室でも使って頂いているようです。Hanaさん嬉しい。

 

 

 

で、そのフェイクブラックというのは…、

 

 

 

 

こういう、かなり明るいブロンドから…、

 

 

 

 

こんな感じで、ほぼ地毛くらいの黒にできます。

 

勿論、黒染めや暗い茶色は一切使っていません

色の中でも暗く見える青・紫を中心に、彩度を落とし光の透過率が下がるような色の組み合わせをすることで、黒く見える状態にしています。

黒染めや暗い茶色は一切使わずとも、黒髪にすることはできるのです。

 

 

 

メニュー:フェイクブラック(¥10,000)+Hana式トリートメント(¥5,000)

所要時間:2h

 

 

 

とは言え、勿論フェイクブラックにも得意不得意、メリットデメリットは存在します。

 

 

 

フェイクブラックで黒くするメリット

 

・ある程度ちゃんと黒っぽくできる

・色落ちしても赤茶けた感じにならない

・元が茶色ならアッシュブラウン、ブリーチしていたらベージュ系に色落ちする

・次のカラーをする際の影響が少ない

 

など、所謂黒染めよりも嫌な赤が残らないことを筆頭に、次のカラーへの影響が少ないことがフェイクブラックの長所と言えます。

 

 

 

フェイクブラックで黒くするデメリット

 

とは言え、どんなカラーもそうですがメリットだけではなく、

 

・黒染めのような真っ黒や、地毛っぽい暗い茶色にはならない

・黒染めに比べて色持ちが悪い

・残留が少ないとは言え全く残留しないわけではない

・普通の黒染めよりも少し時間がかかる

 

といったデメリットもあります。

 

黒染めとは違うため真っ黒にはならないですし、茶を使わないため地毛のような暗い茶色にもできません。

どうしても残留しにくい染料で作る以上、黒染めと比べると色落ちは早くなってしまいます。

加えて、黒や茶を使わないのでどうしても普通の黒染めよりも少し時間がかかってしまいます。

 

また、これはどんなお色でも9lv以下の暗さにする以上避けられないことですが、いくら残留しにくいとは言えど全く残留しないわけではありません。

ですから、フェイクブラックで黒髪にしたからといって、次のカラーでホワイトやホワイトブロンドなどにすることは出来なくなってしまいます

これはもう、髪の毛を暗くする以上避けることが出来ないのですが…。

 

 

 

フェイクブラックの方がいい場合、黒染めの方がいい場合

 

そういったメリットデメリットを踏まえた上で、僕はフェイクブラックと黒染めを使い分けています。

基本的にどちらも何かしらの理由で止むを得ず黒くする必要がある時ではありますが、その中でも…

 

フェイクブラックをオススメする場合は、一時的に黒にしなければならないだけで、半年〜1年後にホワイトやホワイトブロンドまではしないけどまた明るくしたりしたい時

 

逆に、黒染めをオススメする場合は、少なくとも向こう1年は明るく出来なくて、1〜2年以上かけて黒染め部分がなくなるまで地毛を育てていく予定の場合

 

という使い分けをします。

また、黒染めをする場合、黒染めをすることで髪の毛の中に茶が入るので、初回は黒染めをし、2回目以降はフェイクブラックという方法を取ることもあります。

 

 

 

黒髪にしなければならないけどまたすぐにホワイトにしたい場合

 

黒染めは勿論のこと、フェイクブラックでも多少染料の残留はあるため、次にホワイトヘアにしたいと思った時は、また根元から毛先までヴァージンヘアになるまで伸ばす必要があります。

 

しかし、生きていれば色々な事がありますから、意に反して黒くしなければならない時も多々ありますよね。

一旦黒くしなければならないけど、その用事が終わったらまたすぐにホワイトヘアにしたい…。

 

そんな時にオススメなのは、染めない事です。

染めずに黒髪にすれば、次も普通にリタッチをしてホワイトでもどんなお色でも出来ますよね。

 

なので僕は、そういった方には医療用や普段遣い用の地毛と見た目が変わらないウィッグで乗り切ることをオススメしています。

冗談のように聞こえるかもしれませんが、今のウィッグって本当によく出来ているものが多く、一見すると地毛なのかウィッグなのかわからないものが多くあります。

実際に僕のお客様で、医療用ウィッグで面接行って内定もらったという大学生の子が何名かいらっしゃいます。

 

意外と、バレないものなんですよね。

 

Al Chemにはハルカというウィッグカットを専門としているスタッフが在籍しています。

 

Haruka流オーダーメイドウィッグセット
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彼女の普段の仕事はコスプレ用ウィッグの制作ですが、ウィッグの取り扱いは普通の美容師さんよりも慣れていますし、普段使い用のウィッグの制作も何度もしています。

 

止むを得ずほんの一定期間だけ黒髪にしなければならない。

けどその後はまたホワイトや綺麗な派手髪にしたい。

そういう時の抜け道として、地毛と変わらないウィッグを使うという手段もあるので、是非ご相談ください。

 

 

 

コメント

  1. […] […]

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