僕はカラリストなのでカットは一切致しませんが、だからこそヘアカラーを綺麗に見せるにはカットが非常に重要であると強く思います。
それだけでなく、普段の扱いやすさだったり、下手すれば日々の生活の中で起こるダメージの影響の受けやすさも変わってきます。
今日はそんな、カラリスト視点から見たヘアカラーのためのカットのお話と、それを叶えるための方法についてお話ししていきます。
ヘアカラーが綺麗に見えるカットとは
と言っても、ヘアカラーのタイプによってその”綺麗の定義”は変わりますよね。
ここでは先ず大きく分けて
・ソリッドカラー(単色染め)
・マルチカラー(多色染め)
の2つ。
ソリッドカラー(単色染め)が綺麗に見えるヘアカット
ソリッドカラーとは、単色で染め上げるヘアカラー。
グラデーションやハイ・ローライトなどのムラを極力作らずに1色で作るスタイルです。
僕はあまりこういったヘアカラーは作りませんが、重めのスタイルは勿論のこと、メンズの動きをつけるスタイルでも格好いいと思います。
例えば綺麗なボブで単色、綺麗ですよね。
逆に、メンズの軽めなスタイルで単色だとしても…、
格好いいわけです。
単色で作るソリッドなヘアカラーは、重めにしても軽めにしても、格好いいし可愛いと僕は思います。
マルチカラー(多色染め)が綺麗に見えるヘアカット
マルチカラーとは、2色以上の色を使う所謂多色染め。
僕がよく作らせて頂いているようなスタイルもそうですし、暗い青から明るい青へのグラデーションや、ハイ・ローライトが織混ざったブラウンもこれに入ります。
こういったスタイルの場合、重めのスタイルでも軽めのスタイルでも格好良かったり可愛かったりします。
綺麗なボブにレインボーを織り交ぜた多色染め。
メンズのショートのように軽めのスタイルでカラフル。
どちらも格好いいですし可愛いですよね。
なので、ソリッドカラー同様マルチカラーも重めでも軽めでも格好良かったり可愛かったりすると僕は思います。
カットは何でも良いの…?
と、ここまでお読み頂くと、
「どんなヘアカラーのスタイルでも、重めや軽めどちらでも合うなら、カットは何でも良いの…?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、ヘアカットのスタイル自体は何でも良いと僕は思います。
重めのボブにソリッドなカラーで格好いい雰囲気にしても良いですし。
軽めのメンズショートでソリッドカラーも、重く見えがちなソリッドカラーをカットによって軽やかに見せられて格好いいです。
重めのヘアスタイルにマルチカラーも、それぞれの色がしっかりと見えて綺麗ですし。
軽めのヘアスタイルにマルチカラーなら、配色によってはキラキラして見えたり滲んで見えたりで綺麗ですよね。
ですから、ヘアスタイル自体は、どんな髪色であったとしても何でも良いと思います。
そこに何かがあるとしたら、”見え方が変わる”というだけで、その見え方がご自身のなりたい人物像的なものと合うのであれば、何でも良いわけです。
ヘアカラーが綺麗に”見えない”カットって…?
ヘアスタイルとヘアカラーの組み合わせは何でもいい。
とは言えども、実際にはヘアカラーが綺麗に見えなくなってしまうカットの状態というのは存在します。
これは、ヘアスタイル…。
つまり、重いとか軽いとか、ボブだウルフだとかそういう形の話ではなく。
端的に言ってしまえば、
極端に・雑に毛量を減らしてしまうようなカット(セニング)をされた状態
これは、かなり気をつけながらカラーをしないと、中々綺麗には見えなくなってしまいます。
毛量を減らしすぎてしまっていると…①
毛量の減らし方が雑だったり、減らしすぎてしまっていると、出来るデザインの幅が狭まります。
このように、毛量を減らすということは毛先に行くに従って毛の量が少なくなるようにするということなので、毛先は毛の密度が薄く、根本の方は毛の密度が高い状態になります。
その場合、例えば縦筋のデザイン、ハイライトに於けるウィービングや、グラデーションなどを作るとなるとかなり注意が必要で…。
過度なセニングをされてしまっている髪の毛を一筋取って見ると、根本の方が髪の毛が多く、毛先の方が少ないわけですから、そこに対して何も考えずにブリーチをしたり色を入れると、根本の方が明るい部分や鮮やかな部分が多くなり、毛先の方は相対的に明るい部分や暗い部分が少なく見えてしまいます。
そういった状態の方になるべく均一っぽくハイライトを入れるには、
こちらの方がその一例なのですが、一般的なウィービングハイライトの入れ方ではなく、エアタッチという風でセニングされた短い毛を落とし長い部分だけにハイライトを入れる技法を使ったり。
色の変わり目は毛量の変わり目を目安にしたりなど。
通常の施術よりも少しだけ、注意しなければいけない部分が多くなります。
ただこれは、”気を付けることが増える”程度で、何かが出来なくなってしまうわけではありません。
確かに、ある程度制約は出てきてしまいますが、そのルールの中で如何に最大限ご希望に近付けるかが僕達の仕事であると心得ておりますので、物理的に不可能でなければどうにかなります。
しかし、後述する問題に関しては、どうしようも無いこともありまして…。
毛量を減らしすぎてしまっていると…②
デザイン的な部分では、ある程度の制約は出来てしまいますが、何かが全く不可能になってしまうということはあまりありません。
1番の問題は、雑なセニングは、髪色はおろか髪の毛自体が綺麗に見えなくなってしまうということです。
というのも、セニングによって短い毛が出来たときに、例えばヴァージンヘアだとかブリーチ無しのナチュラルブラウンなどであれば、髪の毛自体の質量もあるので綺麗に収まってくれます。
しかし、ブリーチ毛の場合、どうしてもブリーチ剤によるダメージによって毛髪内部にある物質が壊れ流出してしまうことから、質量が軽くなってしまいがちです。
そうすると短い毛が落ち着かなくなってしまうため、切れ毛や枝毛のようにパヤパヤと飛び出てくる毛が出てきてしまいます。
それを、美容師さんや髪の毛の特性についてある程度の知見がある人が、ちゃんと見たら毛量の減らし過ぎだと気づけます。
ですが、一般的な方が、パッと見た時には切れ毛や枝毛のように見えてしまう。
その結果、髪の毛自体が汚いという印象を持たれてしまう…。
髪の毛というのは、体型のように衣服でカバーしたり、お顔立ちや肌質のようにメイクでカバーするのに比べて、どうしても素の状態がわかりやすいものです。
そのため、実際にはそこまでダメージが進行していなくても、過度な毛量調整の結果切れ毛や枝毛のように見えてしまうと、髪質自体が悪く見え、それを他者は本能的に「何か欠陥を抱えた個体」と認識されてしまうこともあります。
そこまで穿った見方をしないにしても、髪の毛がボサボサボロボロに見えると、”だらしない人”という印象を抱かれがちになってしまいます。
ある程度はスタイリングで誤魔化すこともできますが、そうは言えども完璧に隠し切ることが難しいので、過度に毛量を減らすことは避けた方が無難です。
毛量を減らしすぎてしまっていると…③
毛量の減らし方が雑だと起きてしまうこととして、広がりや膨らみが起きやすく、頭が大きく見えてしまうということがあります。
というのも、特にブリーチ毛の場合、前述したように髪の毛自体の質量が軽くなってしまっていることが多いです。
その質量の少ない髪の毛の中に短い毛が沢山あると、長い毛を支えてしまえます。
言うなら、一昔前の夜職の方のような盛り髪をするときに逆毛を立てていたようなもので、髪の毛の内側の方に短い毛が密集していると、根本の方から膨らみボリュームが出てしまうというイメージです。
毛量が多くて膨らむ、広がるといったお悩みをお持ちの方は少なくないとは思います。
その解決手段として、”毛量を減らす”ということ自体は間違いではありません。
しかし、乱暴なセニングで雑に毛量を減らされてしまっていると、逆に膨らみや広がりが悪化してしまうこともあります。
それはブリーチ毛で無くても起こり得ることで、ブリーチによって軽くなっている場合だと尚更…。
毛量を減らしすぎてしまっていると…④
4つ目の毛量の減らし方、セニングの入れ方が雑だと起きてしまうリスクとして、ダメージしやすくなってしまうことがあります。
特にそれが、髪質的に癖毛だった場合や、ブリーチやヘアカラーなどによるダメージが進行してしまっていると、長い毛に対して短い毛の毛先が擦れてしまうことが増えてしまいます。
ある程度均一な長さであれば、そこまで酷く擦れることはないのですが、短い毛が沢山あると、短い部分の毛先が長い毛のキューティクルに逆らうような形で擦れてしまい、結果長い毛がダメージしてしまうことも…。
こればかりは物理的なものなので、所謂ヘアケア的なことをどれだけ頑張ったとしてもあまり効果は得られません。
毛量を減らしすぎてしまっていると…⑤
最後に、これは僕達美容師側の努力の問題ではあるのですが…。
正直に言うと、毛量を減らし過ぎてしまっている髪の毛のブリーチリタッチは非常にやりにくい事が多いです。
と言うのも、ブリーチ剤やカラー剤は狙ったところに塗布をし、塗りたくないところに薬剤を付着させないことが大前提としてあります。
その塗り分けの為と薬剤の反応原理上、ある程度の粘性…粘り気のある薬剤を使用します。
セニングが入り過ぎていると、薬剤を刷毛で塗布しその塗ったところから離す時に、その粘性故に短い毛が付着してきてしまい、本来塗りたくない所に薬剤が付着してしまう事故が起きてしまう事があります。
これが例えば、髪の毛の長さが均一に近い状態であれば、ある程度長さが揃っているところを持つことで、余計な付着を防ぐ事が出来ます。
しかし、乱暴なセニングで毛量が減り過ぎてしまっていると、
ざっくりこの赤線くらいのところを持たなければならず、それも結構しっかりとテンション(しっかりと張った状態)をかけて持たなけらばならず、お客様の頭を少し引っ張ってしまうことになります。
それである程度キチンと塗れるなら、「これこれこういう状態なので少し引っ張ってしまいますごめんなさい。頑張って耐えてね。」でご了承頂いて頑張れば良いのですが、実際にはそこまでしても更に短い毛がくっ付いてきたり、僕が持っていない部分の毛がクリップで止めていたのに飛び出てきたり…。
塗り納めたつもりがペーパーやフォイルからはみ出てきたりなど…。
正直、とてつもなくやりづらい状態になります。
勿論、だからと言ってお断りしたり、面倒くさいなと思ったりはしませんが、避けられるなら避けたい程度には大変な施術になるので、出来るだけ毛量の減らし過ぎには気を付けて頂きたいです。
毛量を減らされ過ぎてしまった時の対処法
ここまでお伝えしてきたように、毛量の減らし過ぎというのは非常に厄介なものです。
勿論、毛量が多いことがお悩みの方の解決手段として、セニングを入れて毛量を減らすという行為自体は必要なことになります。
ですが、過ぎたるは猶及ばざるが如しというように、毛量が多いからといって、動きを付けたいからといって、何でもかんでも減らせばいいというわけではありません。
必要なところに必要なだけ。
そのようなカットが出来る美容師さんにきちんとお願いすることが理想です。
では、現実問題として、もう既にそうなってしまったらどうしたらいいのか…。
対処法①〜時間がかかっても良い方〜
1つ目の対処法は、兎に角我慢して伸びるまで待つです。
後述する対処法を選択できる方であればいいですが、そうでない方の対処法としては、ご自身の毛髪の成長に委ねる他ありません。
ではある程度の長さに伸びるまでにはどれくらいの期間が必要か…、
は、こちらの記事で纏めております。
こちらの記事ではあくまで”根本から毛先までがヴァージンヘアになるために必要な期間”、言い換えれば”坊主からご希望の長さになるまでに必要な期間”なので、今回のお話で言い換えると…。
乱暴なセニングが入っている方で多いのは、根本から5〜6センチくらいのところから短い毛がいる状態なので、それを目安に考えると…、
耳にかかるくらいのショートの方で半年
肩にかかるくらいのミディアムの方で1年
鎖骨以上のロングの方であれば1年半以上
の期間が必要になります。
ですが、これくらいの期間をかけてあげれば、相当栄養不足ではない限り自然に整ってくれます。
対処法②〜時間をかけたくない方〜
逆に、時間をかけずに解消したい方の場合の対処法は、ある程度の重さが出るところまでカットをするという方法です。
人によってはかなりバッサリとカットをすることになってしまうかもしれませんが、確実且つ早急にある程度の重さを作る事が出来ます。
例えば先程から参考画像として上げている方の場合…、
ビフォアはこのような感じで、ブリーチムラも酷く、内側はスカスカ…。
恐らく、毛量の減らし過ぎも相まってリタッチが上手く出来なかったのかな…?
と言う状態でした。
今回はカリキュラムの撮影のモデルとしてお越し頂き、無理のない範囲でムラを修正し、今後少しずつ綺麗なホワイトを目指していくということでブリーチをさせて頂き、カットも少し整えさせて頂いて…、
このような形になりました。
まだまだムラはありますが、一先ずある程度の修正はできたかなと。
加えて、カットの方もブローの有無はありますが、かなり纏まりやすくなりました。
元々がショートの方であれば、このように少し整えるだけで済むことも多いです。
ですが、これがミディアムやロングの方で、セニングが根本側から入ってしまっていると重さを作るために切らなければならない長さというものが長くなってしまいます。
バッサリとカットをすることに抵抗のない方であれば良いかもしれませんが、絶対にロングはキープしていきたい方でしたら、前述した”伸びるまで待つ”ほかありません。
どちらが正しい間違っている、良い悪いではなく、どちらにもメリットがありデメリットもあることですし、ポジティブから来るご希望ではなく、ネガティブから来るお悩み解決的な内容のためこういう表現に表現にならざるを得ないのですが、ご自身にとって納得できる妥協点を一緒に考えていけたらと思っております。
毛量を減らされ過ぎないためには…
ここまでは既に毛量を減らされ過ぎてしまった場合の対処法のお話でした。
次に、これからそうならない為の対処法…、つまり美容師さん探しをする上での注意点をお伝えしていきます。
これはあくまで、僕が良いなと思うようなカット…。
つまり過度に毛量を減らし過ぎず重さをキチンと残してデザインの余地を残しているカットをされている方に多い特徴のお話です。
決してそれ以外の方が下手と扱き下ろすような意図は一切ありませんし、僕が良いと思うようなカットも別のどなたかからすると重過ぎて扱いづらいカットとなることも重々承知の上でのお話です。
僕がカラーをさせて頂く上でやりやすく、僕が作らせて頂いているようなスーパーハイトーン領域のデザインカラーとの相性がいいカットをされている方の特徴のお話なので、そこはどうかご了承下さい。
毛量を減らされ過ぎないために①〜来店前〜
美容師さん探しをしていく上で気を付けるポイントはいくつかあります。
写真で読み解く
インスタグラムやツイッターなどのSNSやホームページ上にある仕上がり画像を見た時に、根本と毛先の毛量のバランスをよく見る事がまず1つ目。
当然ですが、乱暴なセニングが入って毛量が減り過ぎてしまっていると、毛先がスカスカになってしまいます。
現代では仕上がり写真を上げていない美容師さんの方が多いでしょうから、写真を見て明らかに毛先がスカスカになっていないかどうかが、チェックするべき項目の一つです。
また、写真でのチェックポイントとしては、
インナーカラーであればインナー部分の中間がどうなっているか。
グラデーションカラーであれば毛先の明るい部分のバランスはどうであるか。
単色なのに変な影が出来ていないか。
白やシルバーほど明るくしていないのに、いやにダメージしているように見えないか。
などなど…。
勿論、カラー技術のレベルもあるとは思いますが、これらはカットも大きく影響してくる部分もあるので、写真を見る上でのチェックポイントとして重要だと考えます。
得意技術から読み解く
写真以外の部分でいくと、デザインカラーや縮毛矯正が得意な美容師さんは、比較的重さを残したカットを上手にされている方が多い印象です。
デザインカラーは前述したような理由から、ある程度重さが必要な場合が多いです。
縮毛矯正をかけるお客様は癖とそれに伴う広がりがお悩みとしてある事が多いため、ある程度重さを残すし髪の毛の自重で伸びてきても収まりが良くなるようにカットをされている方が多いと感じます。
文章から読み解く
また、
インスタグラムやブログなどの文章から、カットに対して並々ならぬ拘りを持っている事が伝わる方は当然上手な方が多いでしょう。
言語化というのは、普段考えている気を付けている意識していることの範囲内でしか出来ません。
自分の頭で考え考え、考え抜いて噛み砕いたものが、言語として現れます。
ですから、文章化が上手な方というのはカットに限らず技術的にも上手な方が多いなと考えます。
写真から読み解く、得意そうな技術から読み解く、文章から読み解く。
そういった選び方をして頂けると、ミスマッチによる事故は少なく済むかなと思います。
安全なのは…
更に言うなら、カットとカラーは出来るだけ同じ美容師さんにお願いしたり、僕のようにカラリストでカットをしない方であれば同じ美容室の方にお願いする方が安全だと思います。
カットもカラーも全てされる美容師さんであれば、自分の作るカラーデザインのために必要なカット技法を習得されている方が多いでしょうから、カラーとカットの両方でキチンとデザインを作ってくれると思います。
カラーはカラリストさんでカットは別の人、という形であれば、同じサロンのスタイリストさんにお願いした方が、普段から仕事をよく見て理解してくれている方が多いと思いますし、事実Al Chemのチダやハルカは僕のお客様のカットも安心して任せられます。
カットとカラーを別々でお願いするのも勿論いいと思いますが、カットは絶対この人という拘りがないのであれば、同じ人や同じサロンのスタイリストさんにお願いするのが安全です。
毛量を減らされ過ぎないために②〜来店後〜
調べに調べて様々な要素から、その美容師さんのカットの傾向を読み解き上手くマッチング出来る事が理想です。
しかし、実際には中々100%完全に読み解くことは難しく、行ってみたら違ったなんて事も多々あると思います。
勿論それは僕自身にも起きていることだとは思うのですが、お客様からのイメージと僕たち美容師の実態というのは、実際の施術がされない限りは答え合わせは出来ません。
例えば僕自身の場合で行くと、「Hanaさんはブリーチが上手できっと私の希望を叶えてくれる!」というイメージでお越し頂いた方は、ミスマッチが起きやすいと思います。
僕が作らせて頂くのはあくまで僕が楽しいと思う髪色ですし、勿論ある程度ご希望やご要望はお聞きしますが、それはあくまでも履歴や状態を踏まえた上で出来る範囲内です。
その出来る範囲内というのも、”ある程度ご自宅でご自身で扱っても綺麗に見せられる範囲内”ですから、可能性として出来そうなこともリスクの方が大きいなと予想する場合は絶対にしません。
その為、「私の希望をHanaさんの技術で叶えて!」というお客様の場合は、トラブル無く進めば良いでしょうけれど、履歴などの影響から思わぬトラブルが発生してご希望を叶えられないとなった時はミスマッチとなってしまうと思います。
そういったミスマッチを回避するためにも、様々な要素から読み解く。
つまり、相手のことをよく考えるという事が、僕ら美容師側だけでなくお客様側にも必要なスキルだと思います。
そうは言えども、妖怪の覚のように、相手の考えや何かが全て見通せる方なんていませんから、実際に行ってみたら違ったということもあると思います。
なので、実際にご来店されてから毛量を減らしすぎてしまわれないようにする方法としてオーダーの仕方が非常に大切になります。
基本的に毛量を減らすことはオーダーしない
先ず第一に、ご自身から毛量を減らすことをオーダーしない方が良いです。
勿論、毛量の多さがお悩みとしてあることはお伝えしていいと思いますが、だからと言って安直に毛量を減らすことをオーダーしてしまうのは避けましょう。
あくまで毛量が多いことは悩みとしてあるが、毛量を減らしすぎて広がるのは嫌だ、というスタンスでじっくりと相談をした上で決めていけることが理想です。
美容師さんの毛量調整に関する発言
毛量調整をすること自体は決して悪いことではありません。
スタイルを作る上で必須な部分もあるので、適切な毛量調整はむしろ必要なことだと考えます。
しかし、何度も述べているように安易な毛量調整は非常にリスクが大きいので避けなければならない…、ということを理解している美容師さんかどうかというのも、カウンセリング時点である程度判断できると思います。
そのポイントは、毛量を減らすことに対してどういうテンションかだと考えます。
例えばウチの千田は、髪の毛を綺麗に見せる技術に特化しているので、カットも非常に丁寧です。
ハルカも、僕のお客様の大半を長いことカットしてくれているので、ブリーチ毛の扱いは心得ています。
その2人を見ていて思うのは、決して安直に毛量を減らす提案をしないということ。
毛量調整をすること自体は必要なのだけれども、減らしすぎてしまうことはデメリットが大きいから、こういう風にしませんか?
と提案し、ご相談の上納得して頂いてカットをしている。
例えお客様側からもっと減らしてと言われても、「これ以上減らすと綺麗に見えませんがどうしますか」とお伝えしているところも見かけます。
そのようなスタンスでお客様の髪の毛とキチンと向き合っている美容師さんもようの中には沢山いると思うので、カウンセリングなどの時点でどの程度毛量調整に対して意識があるのかも一つの判断材料となると思います。
綺麗なデザインカラーと毛量調整を両立させる方法
最後に、非常に毛量が多く、しっかりと毛量を減らさないとどうにもならないという方にオススメの方法について。
カットでのアプローチ
1つは、シンプルに毛量を減らしすぎないことです。
しかしそれでは、ブリーチ毛のようにダメージが進行してしまうと、どうしたって乾きにくくなり、ただでさえ毛量が多く乾きにくい髪の毛がさらに乾きにくく…。
結果、半乾きのまま寝たり外出したりアイロンを入れたりすることで、どんどんダメージが進行することになってしまいます。
僕自身、比較的毛量が多い方なのでその大変さは凄くわかるのですが、だからと言ってヴァージンヘアや普通のカラーをされている方のような毛量の減らし方は中々出来ません。
ある程度毛量を残しつつ、しっかり毛量を減らす…。
となると、矢張りオススメなのは内側を刈り上げる・インナーレイヤーを入れることです。
内側を刈り上げるのは多くの方がご想像できると思います。
こちらの記事でご紹介しているお客様のように、内側の部分を短くしてしまう方法。
これであれば、極端な話1/3〜1/2ほど毛量を減らしつつ、長さを残す部分は少し整える程度の毛量調整で済むので、カラーのデザインも作りやすく、面が整うことで綺麗に見えるようになります。
インナーレイヤーというのはあまり聞かない方法ですが、要するに刈り上げの少し長い版のようなもので、ある程度長さはあるけどボリュームが減る程度の長さにカットさせて頂くことで、刈り上げと同じような効果を得られます。
こちらであれば、刈り上げることに比べて厳つい印象になりにくいため、可愛らしい印象を作りたい方にもオススメの方法です。
カラーでのアプローチ
カットでは内側をスッキリさせる方法がオススメとお話ししましたが、つまりは毛量を減らすべきポイントは内側であること。
裏を返せば、どんなに毛量を減らすとしても、表面にセニングを入れるということはほぼ無いということです。
勿論、表面も毛先の方に多少毛量調整をする必要があるでしょうけれど、内側に比べて中間から毛量を減らすことはあまり多くはありません。
ということは、表面は比較的カラーでのデザインもしやすく、所謂ホワイトブリーチなどをしても綺麗に見えやすいということ。
こちらの記事でご紹介しているお客様は、別段毛量を減らされすぎてしまっていたわけでは無いのですが、こちらのお客様のように表面だけブリーチするデザインカラーというのもあります。
毛量が多いことがお悩みで、しっかり毛量を減らしたい。
けれどハイトーンカラーも楽しみたい…。
特に鏡に映った自分のハイトーンが見えるようなスタイルにしたい…。
というのであれば、こちらのお客様のようにブリーチするのは表面だけにして、内側は黒髪のまま残すなり茶色の範囲内でのカラーにしてあげて、しっかり毛量を減らすというのも一つの手です。
最後に…
といった感じで。
ここまで非常に長くなりましたが、ブリーチ毛との相性と言うのもあくまで僕のブリーチとの話であり、僕がいいなと思うカットの話ですから、必ずしもここまで書いた内容が正しいわけではありません。
人によってはとにかく毛量を減らして乾かすのを楽にしたい方もいらっしゃると思いますし、そのほうがいい場合も当然あります。
そういった場合はそういった場合で、対処法もありますし、ご提案できることもたくさんあります。
しかし、全てを全て叶えることは中々難しいですし、どんな方法やスタイルでもメリットとデメリットがあります。
その中で、ご自身にとって納得ができる折衷案を模索できたらと思い、日々カウンセリングや施術をさせて頂いております。
勿論、僕が合わない方も世の中には沢山いるとは思いますが、合うなとか良いなと思って頂けた方には誠心誠意最善を尽くします。
初めてご来店頂いた時点では難しいことも、プランを立てて少しずつご希望に近づけられるように尽力致しますので、先ずはご相談頂けたらと思います。
【華やかで品のある髪色が派手髪】
【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】
をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。
初めて僕のブログをご覧下さった方は必ずこちらのページを御一読下さい。
・Hanaのブリーチ技術について
・ホワイトヘアにするための条件
・何故1回のブリーチで白く出来るのか
・そもそもホワイトブリーチやケアブリーチって?
・どれくらいダメージするの?
・ブリーチってやっぱり染みて痛いものなの?
といった、僕のブリーチに関する基本的な内容や、よくある質問はこちらの記事に纏めておりますので、こちらも是非ご覧ください。
これらの記事をお読み頂いた上、日々のブログ・スタイルページ・インスタグラムなどをご覧頂き、【僕の理念や作るスタイルに共感頂けた方】は是非、記事の一番下のLINEオフィシャルアカウントから、友達追加の上ご連絡ください。
LINEでのご予約手順はこちら
Twitterはこちら
Instagramはこちら
チダハナラヂオはこちら
Al Chem オンラインショップはこちら
コメント