正直に言いますが、僕はほんっっっっっとうにグラデーションカラーが苦手です。
いや、ね。
見る分には良いんですよ。
可愛いなあとは思うんです。
けどね、作るとなると本当に、「上手な人紹介するからその人のところ行った方がいいよ!」って心の底から思うくらいには苦手です。
なので、新規のお客様からオーダー頂いた時は、一旦その旨をご説明させて頂くというワンクッションを挟みます。
けれど、「それでもHanaにやって欲しいんです!」みたいに言っていただけたりとか、たとえばそれが顧客様からのご要望だったら、逃げるわけにはいかないじゃないですか。
というわけで今回は、僕がグラデーションカラーを作る場合の唯一のスタイルと、そのメリットデメリットについてです。
Hana式グラデーションカラーはこう
百聞は一見に如かずということで。
僕がグラデーションカラーを作る場合はこういうスタイルになります。
こうです。
根本の方から細い毛束があり、それが毛先に向かっていくにつれて段々と増えてくる。
そういうスタイルです。
グラデーションカラーの作り方色々
グラデーションカラーにも色々な技法があるのですが、今回僕が使った技法はエアタッチというものになります。
この方法は、厳密に言うとグラデーションにはなっていません。
が、グラデーションに見える状態にはなっていますよね。
それぞれどう異なるのかを簡単に説明すると…
グラデーション
厳密に言うとちゃんと髪の毛がグラデーションになるのはこの技法だけです。
イメージとしてはこの画像のように、(黒〜)茶〜オレンジ〜黄色(〜白)というように、髪の毛のメラニン色素を脱色していく過程でなる色をブリーチで作っていくものになります。
厳密に、本当に厳密に言うならば、この方法が唯一正しく髪の毛がグラデーションになる技法です。
バレイヤージュ
一時「外国人風カラー」の流れで非常に流行りましたよね。
結果、言葉の一人歩きが起こってしまい技法だったものがスタイルになってしまったのはさておき。
ざっくり言うならこのように、引き出した毛束に対してV字を描くようにブリーチを塗布する技法になります。
その際、引き出す毛束の位置を少しずつズラすしたり、Vの間に細かな筋を描くことでグラデーションになっているように見せる技法になります。
エアタッチ
僕が唯一やる技法です。その理由は後述しますが…、
引き出した毛束に対してドライヤーの風を当て、短い毛を落とし長い部分にだけブリーチを塗布することで、根本付近には細かい筋を、毛先には明るさが溜まるようにしてグラデーションに見せる技法です。
バックコーミング
これはグラデーションの中でも「オンブレ」や「ヘムカラー(裾カラー)」と呼ばれるスタイルを作るときに特に使われる技法で、
髪の毛に逆毛を立てて、塗布した箇所に対して細かなジグザグを作る技法です。
これはまだ使うかな。
ただ、これを使う場合のお客様からのオーダーは前述したような「ヘムカラー(裾カラー)」になるので今回の主題とは少し違うかなと。
こちらは明暗が極端なグラデーションのように見せる技法になります。
その他、所謂ハイライトと呼ばれるウィービングやメッシュと呼ばれる事の多いスライシングという技法を使ったり、それらを組み合わせることで作る場合もありますが、本題とは逸れるので割愛。
エアタッチしか使わない理由
では何故僕がエアタッチしか使わないのか。
そもそもグラデーションスタイルをあまりオススメしないのか。
①シンプルに技法の傾向が苦手
グラデーションやバレイヤージュは、非常に感覚的な技法であると僕は感じています。
というのも、裏を返すとエアタッチというのは「ドライヤーで短い毛が落ちた後に残っている長い毛に塗布する」というように、塗布する箇所が非常にわかりやすい。
ここを塗れば良いというのが明確ですよね。
この点に於いてはバックコーミングも近しいですが、これはこれで逆毛の立て具合という点で苦手だなあって感じます。
一方でグラデーションやバレイヤージュというのは、フリーハンドで塗っていく技法になります。
エアタッチが補助輪付き自転車に乗って真っ直ぐ走る事だとしたら、一輪車に乗って曲芸をするくらい、僕からすると難しいと言いますか…。
本当に語弊のある言い方になってしまうのですけれど、「ま、こんなもんかな。」って感覚が無いと出来ないなあと。
勿論、実際にこれらの技法を実践されている美容師さん達はそんな風には思っていないでしょうし、仮にそういう感覚が間違いでなかったとしても「こんなもん」のレベルが非常に高い次元にまで至れているくらい経験を積まれているので、決して悪い意味ではなく、丁度いい具合で的な意味合いでの事ですけれど。
なんというか、非常に柔軟に考えられないと出来ない技法だと僕は考えていますし、それが苦手なゼロイチでキッチリしたいタイプの僕にはどうしても掴めない感覚なのです。
②オレたちが苦手な色が挟まる
先程のイメージ画像のように
正しくグラデーションにしようとすると、黄色や場合によっては茶色が髪の毛に存在することになります。
…俺ら、黄色とか茶色苦手じゃん?
だから白くしたいって思うわけじゃん??
なんの説明もなく黄色とかにされたらさ、失敗したって思っちゃうわけじゃん???
っていう、派手髪勢特有の感覚と言いますか…。
でもこの感覚ありません?
黄色が気になるなぁって。
別に黄色とか、黄色みを感じるようなベージュとか、単体は綺麗な色なんですよ??僕も好きな色ですし、今なら別に何とも思いませんけれど。
けれど、嫌じゃん???
髪の毛に黄色や茶色が入ってくるのって。
だからホワイトブリーチで検索したわけじゃん?????
…とまあ、アンチ黄色茶色過激派だった時の気持ちを思い出しつつ書いたわけですけれども。
実際そういう方も少なくないと思うんです。
し、僕がこういったグラデーションを作らせて頂く時のオーダーは「黄色や茶色が挟まるのが嫌で、黒(地毛)から急に色に変わるようにしたい」という方です。
…やっぱそうじゃん?????
グラデーションの場合は先程の画像のように、グラデーションを作るわけですからどう足掻いたって黄色や茶色が入ります。
カラー剤で塗りつぶして、染めたてはそれが見えないようにすることもできますが、色落ちしたらそれは出てきます。
バレイヤージュの場合、その塗布方法の特性と日本国内で使えるカラー剤のパワーの限界的に、白まで明るくすることがそもそも難しいことが大半です。
こういった理由から、僕がグラデーションを作る場合は、エアタッチ以外使わないわけです。
エアタッチのデメリット
そんな黄色や茶色い部分を作らずに黒髪からいきなり明るくなるけどグラデーションのように見えるエアタッチという技法なわけですが、デメリットも当然あります。
それは、基本的にブリーチした部分が完全に無くなるまでブリーチが出来なくなるという点です。
理由①:時間がかかる上完璧に揃える事は不可能に近い
こちらの画像のように、根本の方に細かく明るい毛を作る技法になるため、極端な言い方をするとブリーチ毛とブリーチしていない毛が隣同士になっている状態になります。
この状態から全体ブリーチに移行するのであれば、ブリーチしていない毛だけを拾ってその部分だけブリーチをするという方法を取らざるを得なくなりますが、正直それは現実的ではありません。
というのもそれをした場合、単純に非常に時間がかかります。
ですが、ブリーチ剤の反応は混ぜた瞬間から始まります。
ということはつまり、塗り始めと塗り終わりで明るさのムラができてしまうということになります。
もし本当にそれをやるのだとしたら。
いや絶対やりませんし、やったとして完璧に揃える事は僕には出来ませんけれど、
丸一日かけて、ブリーチの反応が均一に収まる程度のブロック毎に塗っては流してを繰り返すなら、ある程度揃ったような感じにはできるかもしれません。やらないけど。
とはいえ、実際には毛周期(髪の毛の伸びる速度が一本一本違うこと)の関係で、完璧に塗り分けるのはほぼ不可能に近いくらい非常に難しい事です。だから本当やめた方がいいんですよ。
理由②:断毛のリスクが非常に大きい
仮にエアタッチから全体ブリーチに移行した場合、前述したようなやり方で塗り分け時にブリーチしていない毛だけ拾ったとしても、毛周期の関係で塗り分けが難しくなることも加味すると断毛ゼロはかなり厳しいと思います。
また、もし仮に何も気にせず「えいや!」と全体にブリーチを塗布してしまうと、ブリーチ部分は断毛のリスクがありますし、ブリーチしていない部分は明るくなりきらない恐れもあります。
また、「エアタッチのリタッチ」という方法もあるのですけれど、あれもまた毛周期を考えると難しいなあと思います。
こういった理由と、僕の信条の一つである「綺麗な髪色は綺麗な髪の毛から」も合わせて、エアタッチでグラデーションスタイルにした場合は、基本的に伸び切るまではブリーチはせず、ブリーチしてあるベースに対して色を入れて楽しんで頂くという方針にご了承頂いた方にのみ、施術を承っております。
でも、可愛いんですよエアタッチグラデーション
とまあ、ここまで大分ネガティブな話も書きましたけれど、
エアタッチで作るグラデーションって、可愛いじゃん??
中途半端な明るさが一切無い状態で黒とか地毛からいきなり明るく出来るのに馴染んでいてナチュラルっぽく見えますし、その塗布方法の特性的に白まで明るくすることがグラデーションスタイルを作る技法の中では比較的容易だし…、
エアタッチで作るグラデーションスタイルは俺たちが大好きなグラデーションスタイルなんですよ。
なので、絶対にやらないわけではありません。
ですがキチンとした説明もなしに安易に引き受けていいスタイルでも無いと考えます。
エアタッチで作るグラデーションはこういう人におすすめ
そんな可愛いエアタッチを使ったグラデーションスタイルなわけですが、例えば
・ブリーチリタッチに定期的に来るのは面倒だから、伸びてもいい具合にしたくて、伸び切るまでの間の黒髪が多くなる期間も楽しめる方
・絶対ロングは死守したい学生さんで、入学直後にブリーチしたら就活までの間伸ばして、就活は完全地毛の状態で乗り切り、就活後にまたブリーチしたいと考えている方
・全体ブリーチをやめて地毛を伸ばしていく過程で、根本の地毛とブリーチ毛の境界線をぼかしたい。その結果完全に地毛に生え変わるまで多少時間がかかっても已むなしと思える方
・海外に転勤であったり、何かしらの事情で美容室にカラーをしに来れなくなることがわかっている方
には、非常にマッチする技法でありスタイルであると思います。
逆に、気分で変えたい方には全体ブリーチをした上でオンカラーで作るグラデーションの方が、後々色々なお色やスタイルを楽しんで頂けると思います。
後々の事を考えるとデメリットも少なくないグラデーションスタイルですが、その方の状況等によってはとても良くマッチするスタイルですし、シンプルに非常に可愛いスタイルです。
なので、消費者金融のキャッチコピーではないですけれど、計画的に取り入れることが大切ですし、僕はカウンセリングの中でそういった部分もキチンとご説明しご相談の上方針を決めていきます。
「グラデーションスタイルには憧れているけれど、どうなのかな?」という時は是非ご相談ください。
メニュー:③全体ブリーチで○色系でお任せ+ロング料金
所要時間:4〜6時間
【華やかで品のある髪色が派手髪】
【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】
をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。
初めて僕のブログをご覧下さった方は必ずこちらのページを御一読下さい。
・Hanaカラーについて
・ホワイトヘアにするための条件
・何故1回のブリーチで白く出来るのか
・そもそもホワイトブリーチやケアブリーチって?
・どれくらいダメージするの?
・ブリーチってやっぱり染みて痛いものなの?
・どういう方に来て頂きたいか
といった、僕のブリーチに関する基本的な内容や、よくある質問はこちらの記事に纏めておりますので、こちらも是非ご覧ください。
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