ブリーチと黒染めの繰り返しで地層のようなムラになった髪の毛を均一に

ヘアカラーで一番大事なのは履歴。

と言い切っても過言ではないくらい、カラーやパーマ、矯正などの髪の毛の履歴というのは本当に大事です。

履歴次第で、できることもできないことも決まってきます。

 

ですが、だからと言って簡単に諦めたりするわけではありません。

事前カウンセリング、ご来店頂いてからのカウンセリングで状態を把握し、自身が今まで学んできた事、経験を駆使し、可能な限りご希望を叶えられるようにするのが自分達の使命だと思っています。

 

今回の方は、僕のお客様の中でも中々ハードな履歴を経てきた方でした。

 

 

 

【華やかで品のある髪色が派手髪】

【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】

をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。

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ヴァージンヘアの方が少ない現代

 

現代日本に於いてヘアカラーやパーマなどを何もしたことがないという方はどちらかと言うと少数かなと思います。

多くの方が、何かしらの施術をされていると思います。

 

カット以外何もされていないヴァージンヘアの方は、校則や社内規定などでほぼ何もできないという方。

もしくは、ご自身の意思でカラーなどを何もしないことを貫いていらっしゃる方かなと思います。

 

 

 

Hanaの元に初めて来て下さる方の大半も

 

街を歩いていても、地毛とそこまで変わらないくらいの明るさの方からホワイトヘアまで、本当に様々な明るさの方がいらっしゃいますし、パーマをされていたり、一見わかりにくいですが縮毛矯正をされている方も多くいらっしゃると思います。

 

僕の元に初めて来てくださる大半も、今まで様々なカラーをされてきた方です。

 

ですから、履歴が大事で履歴によっては出来ない事があると言っても、大半の方はどうにかなるのでご安心ください。

 

 

 

1番好きな色にできるのは…

 

とは言え、履歴によっては本当に不可能な場合も多々あります。

 

例えばホワイトヘアを初め、シルバーやパステルトーンなどのホワイト領域のベースを必要とするお色。

 

ホワイトヘアであればヴァージンヘアである事が最低条件として必須になりますし、シルバーやパステルトーンのお色も、履歴によってはほぼ不可能な場合が多いです。

 

髪色をホワイトやシルバー、パステルカラーにするために必要な最低条件について
条件が整ってさえいれば、ブリーチは何回もしなくても1回で地毛からホワイトヘアにすることができます。 その条件と、何故白に出来なくなってしまうのかという理由をまとめました。

 

こちらの記事で書いている通り、カラーやパーマなどの履歴が一切なく熱変性もしていないヴァージンヘアが1番、好きな色を好きに身に纏いやすくなることは事実あります。

いくら毎日ブリーチをし、ホワイト領域のカラーを数多く作らせて頂いていても、原理原則には抗えません。

 

 

 

カットしない限り全ての履歴は残る

 

ヘアカラー然り、パーマや矯正もそうですし、日々のアイロンによる影響…。

それらはカットによって物理的に無くさない限り残り続けます。

 

カラーであれば染料の残留とダメージが。

パーマであればダメージが。

デジタルパーマや矯正であればダメージと熱の影響が。

日々のアイロンでも温度ややり方によっては熱の影響が。

 

何かしらが全て残ってしまいます。

 

これらは、髪の毛が死滅細胞の集まりである以上、何かを与えたら回復したりするものではありません。

 

縮毛矯正して毎日アイロンしているけれどホワイトブリーチしたい
「縮毛矯正をしているとブリーチは出来ない」わけではありません。しかし、縮毛矯正の影響は確実に受けます。それは何故なのか、どういった影響があるのか、そしてブリーチと縮毛矯正はどこまで両立出来るのかについて解説致します。

 

ダメージは皆さんもなんとなくわかると思います。

 

染料の残留に関しては、染めたてから大分経ち、かなり色落ちしてくると殆ど何も残っていないように感じますよね。

勿論、薬剤によってはほぼ何も残らないものもあります。

しかし、結構多くの方が、一見ほぼ完全に色落ちしたと感じていても、ブリーチした時に頑固に残る残留染料が浮き出てきます。

これはブリーチしてみないことには断言できない事が多いです。

 

 

 

残るということは積み重なる

 

カットしない限り無くならないということは、どんどん積み重なっていくということです。

 

例えば…

 

「ハイトーンにしたい!」

ってことでブリーチをして

 

 

 

 

 

2ヶ月後に根元のヴァージンヘアが伸びてきた時に、

「やっぱり黒髪がいいなぁ〜」

って、黒染めをする。その時に…

 

 

 

 

ヴァージンヘアである根元から黒染めをしてしまうと…、

 

 

 

 

それから更に2ヶ月後にはこういう状態になってしまいます。

ここで、

「やっぱり明るくしたい」

またブリーチをしてとなった時に、何も考えず根元から毛先まで一気にブリーチをしてしまうと…

 

 

 

 

このように根元から毛先に向かって、

綺麗に明るくなる部分→明るくなりにくくオレンジになってしまう部分→比較的明るくなるけどオレンジが残る部分

の三層に別れることになってしまいます。

 

僕のお客様でも

「ブリーチとトーンダウンを繰り返していたら”地層”みたいになった」

と仰っていた方がいましたが、正にその通りで。

 

ブリーチをしてトーンダウン、その後何も考えずにブリーチ…

というようなことを繰り返してしまうと、地層のように横の線で様々な明るさが点在する、ムラムラな状態になってしまうのです。

 

 

 

普通のカラーだけでも地層になる時も…

 

実はこの地層のようになってしまう現象は、ブリーチとトーンダウンの繰り返しではなく、所謂普通のカラーの繰り返しても起きてしまう場合があります。

 

 

 

 

カラー剤の染まる原理

 

何故なら、普通のカラー剤はブリーチと染色を同時に行っています。

 

ブリーチと言っても、僕が普段するようなブリーチほど明るくはしていません。

 

例えば、7レベルのアッシュ系のお色にした場合。

染めたては、7レベルくらいの明るさになりますよね。

 

しかし、そこから1ヶ月2ヶ月と経つと、段々髪の毛が明るくなってきませんか?

これこそが普通のカラー剤もブリーチをしている証拠で。

 

7レベルの明るさに染めるとしても、髪の毛のメラニンを削らないことにはただ暗くなるだけです。

なので、カラー剤は1度仕上がりの明るさよりも少し明るいところまでブリーチをして、同時に染料を入れて染めているのです。

 

 

 

同じ明るさでもブリーチ力が変わる

 

普通のカラー剤がどのようにして発色しているかはお分かり頂けたと思います。

ここで問題なのが、同じ明るさの同じ色でも、メーカーさんによってブリーチ力が変わるということ。

 

例えば同じアッシュの7レベルのカラー剤でも、A社は9レベルくらいまでブリーチしているのに対して、B社は10レベルまでブリーチしている…とか。

 

更に、カラー剤は”○レベルの○色”という1剤と、過酸化水素の2剤を混ぜることで酸化反応を起こしブリーチと発色をさせます。

この過酸化水素は、国内だと6%まであるのですが、その%が高くなればより明るく、低くなれば暗くなります。

その調合は美容師さんによって様々で、根元を6%毛先を3%で塗るという方もいれば、僕もそうですが根元も毛先も3%で塗る人もいます。

 

そういったメーカーさんによるブリーチ力の違い美容師さんの調合の違いによって、同じくらいの明るさの仕上がりだったとしても、メラニン色素をどれくらい削っているかが変わってきます。

 

なので、

美容室を転々とされていたり、毎回違う美容師さんに担当してもらっていたりすると、普通のカラーしかされていなくても地層のようになってしまう事があります。

 

 

 

 

ブリーチとトーンダウンの繰り返しで出来たムラを均一に

 

では実際に、ブリーチとトーンダウンの繰り返しで地層のようなムラが出来てしまっている場合、どのようにしてなるべく均一な状態に近づけるのか…。

 

 

 

ビフォアと履歴

 

 

ビフォアはこんな感じ。

 

ざっくり説明すると、

 

2ヶ月前にブリーチして紫。

更に2ヶ月前に濃い紫

更に2ヶ月前にブリーチして濃い紫

更に4ヶ月前にセルフ黒染め

更に3ヶ月前に濃い赤

更に2ヶ月前にブリーチして濃い赤

更に2ヶ月前はピンク

その前がブリーチしてピンク

その前が黒染で…etc

 

 

 

…と。

まあまあな履歴です。

ここに書いているより以前も、ブリーチとトーンダウン(黒染め)を繰り返していたようで…。

 

 

 

ビフォアの状態を分解すると…

 

 

でもこれ、色に敏感でない方からすると、根元が伸びて毛先が茶と金髪の中間くらいの状態にしか見えないかもしれません。

なので、これを一度、分かりやすいように分解すると…、

 

 

 

 

こんな感じになります。

根元から順に

 

1、ヴァージンヘア

2、ヴァージンヘアにブリーチなしでカラーした部分

3、ヴァージンヘアにブリーチしてカラーをし、更に2が乗っていた部分

4、ヴァージンヘアにセルフ黒染めをしてブリーチしてカラーをし、更に2が乗った部分

5、ブリーチ2回以上(正確な回数は不明)してオンカラーもして、その後セルフ黒染めをして更にブリーチをしてカラーもして色々しまくった結果ダメージレベルもまあまあ進んでいて引っ掛かりも気になる現実逃避ゾーン

 

となります。

 

 

 

こういう場合のブリーチは…

 

勿論、安直に根元から毛先まで一気に塗るなんてことは出来ません

そんなことをしても、ムラがムラのまま明るくなるだけですし、5のゾーンなんかは下手すれば切れ毛になってしまいます。

 

なので先ず、事前カウンセリングでお聞きした履歴と、ご来店頂いて実際の状態を拝見しながら照らし合わせます

 

そしてそこから、一番明るくなりにくい部分〜一番明るくなりやすそうな部分を見極め、ブリーチのパワーのコントロールをしながら塗り分けていきます

 

で、こういう時に限って途中経過とか撮り忘れるんですよね。

 

 

 

ブリーチだけでは完全に修正仕切れない場合が多い

 

なるべく均一なベースを作るようにブリーチをしていきますが、どれだけ頑張ってもブリーチだけで完璧に均一なベースを作ることは至難の技です。

 

そもそも、ヴァージンヘアの部分と既染毛では、同じ明るさになっていても同じ色にはなりません

 

ヴァージンヘアの部分は余計な染料がいないので、ブリーチをすると綺麗にイエローやペールイエロー(ホワイト領域)などになってくれます。

しかし、既染毛には染料が入っていて、物によっては非常に強い残留をします。

すると、ヴァージンヘアと同じ明るさになっていても、染料が残留する分、イエロー領域だとオレンジに、ペールイエロー(ホワイト領域)なら若干薄いオレンジ、というような状態になります。

 

 

イエロー領域のブリーチで残留染料がある場合

 

 

 

 

 

ホワイト領域のブリーチをして残留がある場合

 

 

 

メインのカラーを乗せる前に一旦ベースメイクをする

 

ブリーチだけでは完全に均一なベースを作ることは至難の技になります。

なので、特に染料の残留とムラがある場合はほぼ必ずベースメイクをします。

 

そのまま色を乗せてしまうと、根元がパキッとしたお色で、毛先が濁ったお色になってしまうからです。

 

このベースメイクは、その方がご希望されているお色や状態によって異なるので一概にこうとは言えませんが、今回は

 

「紫とピンクで、なるべくムラを無くして可愛くして♡」

 

というオーダーだったので、語尾に”♡”が見えるくらい配色に関してはお任せだったので…、

 

 

 

 

 

 

ベースメイクは、根元を紫にするだけにしました。

 

というのも、

 

オレンジのベースもピンクであれば比較的綺麗に発色させられる。

ピンクも淡いピンクよりもパキッとしたピンクの方が好きということ。

紫とピンクなら紫の方が暗く見えること。

根元は綺麗に明るくなってくれていて紫も綺麗に発色できること。

中間から毛先のダメージ度合い的にベースメイクの負荷もちょっと怖いこと。

 

と言った理由から、中間から毛先は敢えて何もせず、根元を紫にするだけにしました。

 

 

 

オンカラーで仕上がり

 

で、仕上がりがこちら…、

 

 

 

 

 

 

根元の紫から、異なるピンクを縦に織り混ぜました。

パッと見ではビフォアのようなボーダーがあったとは思えないような仕上がりですよね。

我ながら、頑張ったと思うんです。

 

そしてこの色落ちがどうなるのか…。

色落ちまでが仕上がりである僕にとってはそっちの方が重要ですし、今回のようなムラを修正する場合、色落ちしてどうなっているかが非常に重要ですよね。

後日ご来店頂いた際に記事にするのでお楽しみに。

 

 

 

 

 

メニュー:Hanaカラー_full(¥25,000)+Hana式トリートメント(¥5,000)

所要時間:7h

 

 

 

と言った感じで。

 

ブリーチとトーンダウンを繰り返されていたり、美容室を転々としていたり毎回違う美容師さんにカラーをしてもらっていたりすると、どうしてもムラになりやすくなってしまいます。

色のムラもダメージも、一度なってしまうとカットをして切り落とさない限りずっと残り続けます。

既に切れ毛が酷いようなダメージレベルだと、そもそもブリーチ出来ない場合だってあります。

 

しかし、徹底したカウンセリングと丁寧なブリーチ、状態に合わせたベースメイクなど。

ちょっと頑張ればある程度は均一に近い状態にすることも出来ます。

勿論、限界はありますが、可能な限り修正し綺麗な状態に出来るよう尽力致しますので、ご相談頂けたらと思います。

 

 

 

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