「黒染めや白髪染めをしてしまうと次のカラーが大変になる。」
と聞いたことがある方は多いとは思います。
では具体的にどのように大変なのか。
黒染めや白髪染めなどをした髪の毛にブリーチをするとどうなってしまうのか。
また、どれくらいの期間残留するのか…。
今日はそう言ったお話です。
【華やかで品のある髪色が派手髪】
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黒染めや白髪染めすると次のカラーが大変な理由
先ず、何故「黒染めや白髪染めをしてしまうと次のカラーが大変になる。」と言われるのか。
それは、黒染めや白髪染めなどに含まれている染料が原因になります。
黒染めや白髪染めのようなカラー剤は、カラー剤に含まれる染料の中でも特に残留性の高い染料が使われていることが多いです。
具体的には赤褐色の染料なのですが、これがブリーチしても最後の最後まで残ってしまいます。
「ブリーチすれば落ちるんじゃないの??」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、染料の一部には一度染まってしまうと完全には落とせなくなってしまうものもあるのです。
詳しい理由はこちらの記事をご覧ください。
具体的にはこうなる
先ほどご紹介した記事にも書いておりますが、黒染めや白髪染めなどを含む、所謂普通のカラー剤で染めていた履歴のある方は、こちらの3名のようにブリーチしても黄色や白にはならず濁ったオレンジになります。
このオレンジこそが頑固に残留する染料の色です。
濡れている状態だとちょっと濃く見えるのですが、乾かしても…、
こちらの方のように、乾かすと少し明るくはなりますが、誰がどう見てもオレンジという感じになってしまいます。
この状態からでも出来ることは…?
例えばこれが、オレンジや赤、ピンクの中でもオレンジ寄りなピンクであれば比較的大体の明るさで作ることができます。
また、紫や青、緑なども鮮やかで比較的暗めの、ヴィヴィッドトーン以下であれば割と問題なく作れます。
しかし、オレンジがいる以上明るくて透明感のあるお色にはどうしてもし難くなってしまいます。
何故なら色は、反対の色を混ぜると濁ってしまう性質があるからです。
オレンジが強く出ている部分に、同系色のオレンジやオレンジ寄りのピンク、赤などであれば大体問題なく作れますし、なんなら残留を利用したカラーもできます。
しかし、反対色や補色である緑や青、紫にしようとした場合、オレンジが邪魔をしてしまって綺麗に発色させることが難しくなってしまうのです。
これが、「黒染めや白髪染めをしてしまうと次のカラーが大変になる。」と言われる理由なのです。
厳密に言えば、普通のカラー剤も残留する
先ほどご紹介したこちらの記事。
こちらにもある通り、厳密なことを言うと黒染めだから残留する、白髪染めだから残留すると言うわけではありません。
問題なのは残留しやすい”染料”。
黒染めや白髪染めなどの薬剤はその染料が多く含まれているので話題に上がりやすいのかなと思います。
しかし、その残留しやすい染料というのは所謂普通のカラー剤にも含まれていることが多い…というか、10レベル以下のカラー剤には大体含まれていると言われています。
なので、ホワイトヘアにしたい場合は最低条件としてカラーもパーマも矯正も何もしていない、アイロンなどの熱で熱変性をしていない完全なヴァージンヘアであることが必須になるのです。
どれくらいの期間残留するの??
先程チラッと話しましたが、
黒染めや白髪染めなどは、カットで物理的に無くさない限りずっと残り続けます。
いつまで、とかいう話ではありません。
カットをしない限り、切り落とさない限りずっと残り続けるのです。
「え、でも黒染めして暫く経ったら結構明るくなったよ??」
と思われた方もいるかもしれません。
しかし、残念ながらそれは、”比較的落ちやすい部分が色落ちした”だけであり、”一番残りやすい頑固に残留する部分”は最後まで残り続けます。
色落ちしたな、と思っても…
なので、「結構落ちたな〜。」と思ってブリーチしてみても、ヴァージンヘアからブリーチした部分よりも濁った色になってしまいがちです。
こちらの方は黒染めをされてから半年以上経っております。
しかし、見ての通り中間から毛先の黒染めをされていた部分は、根元の白くなっている部分とは全然違ってオレンジになっていますよね。
こちら記事でご紹介しているこちらの方に関しては、黒染めした後一度ブリーチしていて、更にそこからもう一度ブリーチをしたのですが、見ての通り中間から毛先はオレンジになっていますよね。
普段どんな明るさでも1回のブリーチで作る僕ですが、そんな僕が2回目のブリーチをしてもこうなります。
このように、何ヶ月経っていても、黒染め後一度ブリーチをして更にもう一度ブリーチしても。
最後まで残留してしまう頑固な染料は、自然に色落ちすることもなければ、綺麗に落とすことは不可能なのです。
黒染め部分をカットするとして、どれくらいの期間伸ばせばいいの?
となると、気になるのは”黒染め部分がなくなるまで伸ばすにはどれくらいの期間がかかるのか”だと思います。
それは、こちらの記事で書いているのですが…、
ショートで1年以上。
ミディアムで2年以上。
ロングなら3年以上。
と、年単位の期間がかかってきます。
1年ちょっと前に黒染めをした髪の毛にホワイトブリーチすると…
では1年ちょっと前に黒染めをされたミディアムくらいの長さの方が、ホワイトブリーチをするとどうなるのか…。
ビフォア
今回ご紹介するのはこちらの方。
以前僕がカラーをさせて頂いてから、訳あって一時期セルフ黒染めをされていたそうです。
それが大体、1年3ヶ月前。
僕が先ず、事前カウンセリング時点でお伝えしたこと
毛先の方はほぼ間違いなく黒染めが残留しているので、先ずホワイトにはならないでしょう。
また、よく見れば黒染めの残留特有の赤みを感じるのですが、髪の毛の伸びる速度は人によって違う上、同じ方でも一本一本伸びる速度が異なります。
なので、正直どれくらいがホワイトにできて、どこからがホワイトにならないかは、ブリーチしてみないことには断言できません。
更に、セルフカラーの場合、美容室でカラーをするよりもダメージが大きい場合が多いです。
我々美容師がヘアカラーをする場合、お客様1人1人の髪質や履歴などをみて薬剤を調合し、その人にあった薬剤を使用します。
しかし、市販のカラー剤ってどんな髪質の方が使うか分からないですよね。
である以上、下手に染まりやすい髪質の方に合わせて作ってしまうと、染まりにくい髪質の方が使った時に「何この薬全然染まらないじゃん!」となってしまいますよね。
更に、色落ちが早くても「何この薬(以下略」となってしまいますよね。
なので、市販のカラー剤の多くは染まりにくい方を基準に設定され、非常に残留しやすい染料を使用している場合が多いです。
極端に言えば、黒染めでも”ブリーチして黒染めしている”ような状態です。
何なら黒染めではないアッシュとかでも、残留のしやすい染料を使っていることを考えると、黒染めでなくても”ブリーチして黒染めしている”ようなものが多いという感覚です。
なので、毛先の方がホワイトブリーチに耐えられない可能性もあります。
といったことをお伝えした上で、ご了承頂けたので挑戦してみた次第です。
ブリーチすると…
こうなりました。
勿論ブリーチは1回です。
根元から中間あたりまでは綺麗に明るくなってくれていますよね。
しかし、僕の指が写っているあたりは、若干根元よりもちょっと黄色味が強いですよね。
矢張り、黒染めの残留はありました。
が、思っていたよりは残っていない…。
し、多分これ、そのまま活かしても可愛い…。
ということで…。
仕上がり
根元から中間はちょっと紫に寄せてみたホワイト。
ちょうど耳からしたあたりが、ベージュっぽい感じになってくれています。
このベージュっぽい毛先こそが黒染めの残留です。
黒染めの残留と聞くと、ちょっと汚いイメージがあるかもしれません。
けれど、こうしてみると、これはこれで意外と可愛くないですか?
そう思えるのも、理由としては
・思っていたよりはオレンジ味が残らないでくれた
・残留しているのが耳下辺りからで、全体の長さを見た時にバランスよく見えてくれる位置にいた
というのがあります。
意外と、残留も可愛いんですよね。
メニュー:ホワイト・ブロンド(¥20,000)+Hana式トリートメント(¥5,000)
所要時間:6h
といった感じで。
黒染めや白髪染めをされていると、どうしても強く残留してしまうことが多いです。
何なら、途中でお話ししたように、残留しやすい染料が含まれた薬剤でカラーをされていると、黒染めや白髪染めでなくても残留してしまいます。
染料の残留と聞くと、多くの方が”汚い”というイメージを抱くかもしれません。
しかし、残留によって出来た色も、それはそれで可愛いと思います。
完全には落とせない以上、それを踏まえた上でどうするか。
可能ならそれを活かしたカラーにしてあげる。
そういう方が、もっとヘアカラーを楽しめると思います。
ヴァージンヘアの方の方が少ない現代だからこそ、そういった考え方や感覚があると良いのかな、と。
とは言え、綺麗なホワイトヘアにしたいのであれば、矢張りヴァージンヘアであることは必須なので、これからヘアカラーを考えている方は参考にしてもらえたらと思います。
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