正直、最近のヘアカラーの名前がよくわかりません。
ショートソイオールミルクアドリストレットショットノンシロップチョコレートソースアドホイップフルリーフチャイラテ
みたいな感じで、
ホワイティラベンダーアッシュグレージュ
みたいな。
何やねんその色、って思います。
今日はそんな、謎カラーの名称をちゃんと紐解いて作るとこうなるよ、ってお話です。
【華やかで品のある髪色が派手髪】
【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】
をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。
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大体3〜5色混ざっているシャレオツカラーワード
最近…、というかインスタ映えなるものが台頭してきてからというもの、ヘアカラーの名称がどんどんと複雑化して行っているように感じます。
それこそ、スタバの呪文のように…。
例えば、
ホワイティシルバーベージュ
であれば
ホワイト・シルバー・ベージュ
で3色が混ざってますし、
ラベンダーアッシュグレージュ
であれば
ラベンダー・アッシュ(青)・グレー・ベージュ
というように4色が混ざっているわけです。
そもそも色は混ざっているもの
確かに、赤と青と黄色の3つの原色以外は、原色が混ざって様々な色が作られています。
例えば
こういう紫は、紫ですから赤と青を混ぜているわけですが、ヴィヴィッドトーンよりも彩度は低くなっていますから、紫の補色である黄色が入ることで鈍い色合いになっています。
こういう茶は赤と黄色の混ざった橙に、補色である青がいることで茶色になっています。
というように、基本的に色は原色でない限り混ざっているものではあります。
しかし、色は混ぜれば混ぜるほど濁ります。
濁れば彩度が下がり、明度も下がり…。
行き着く先は黒です。
原色である赤と黄色と青を混ぜていけば、黒になるわけですからね。
しかし、インスタとかでよく見るシャレオツカラー名は
混ざっている色と混ざっている色と混ざっている色の組み合わせ
なわけで。
ですから本来、その髪色はその色名じゃないよね?ということが多いです。
”オシャレっぽい”が弊害に…
折角綺麗なお色のポストをされているのに、お洒落っぽいことが先行し過ぎていてその色が正しくお客様に伝わっていない…。
故に僕の元に来てくださるお客様は口を揃えて、
「○色にしたくて調べていたら、どんどんわからなくなってきた…。」
と嘆いていらっしゃいます。
極論、”他所は他所、うちはうち。”と思っているので、正直な話どうでも良いと言ってしまえばそれまでなのですが…。
そう言ったオシャレ色名が広まった結果、”お客様の口から発せられる色名”と”見せていただいた画像の髪色”に齟齬があり、「で、どっちにしたいの??」となるわけで。
そうなったときに、お客様は「どっちが正解なんですか…?」となってしまう。
しかし、”どちらが正解か”は僕たちではなくお客様が決めることです。
例えば先程のようなホワイティシルバーベージュであれば、その色のニュアンスが伝わるお色が正解かもしれませんし、画像のお色が正解かもしれません。
ご自身の中にあるイメージに最も近いものが何なのか、イメージに対する正解が何なのか…。
それらは、どこまで行っても他人である以上、僕たちがその方の脳内イメージを100%完璧に共有することは難しいです。
こういう言い方をすると無責任に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、オーダーをして頂く場合の正解は僕らが決めることではなく、ご自身がどうしたいかで決まることです。
だからこそ、徹底したカウンセリングが必要になる
とは言っても、折角僕の元に来てくださった大切なお客様のオーダーを、その方にとっての正解を理解することを諦めるわけではありません。
どんどん難解になるからこそ、なるべくそれらを紐解いて明解にしていくことが、来てくださった方への誠意だと僕は考えています。
ですから、カウンセリングをしている中で、見せて頂いたお色とその方の仰った色に対する表現に齟齬があれば、そこは訂正させていただきます。
「この色にして欲しいんですけど、これって○色で合ってますか…?」
と聞いてくだされば、それがその色で合っているか否かを、キチンとご説明させて頂きます。
ちゃんとする、というのはそういうことなのかなって僕は思っています。
勿論、それがうざったいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
けれど、何となくの仕事はしたくないので…。
ご理解ご協力頂けたらと思います。
閑話休題、そして本題。
「”ホワイティグレージュ”にしたい!」
というわけで今回のお客様。
ビフォアの状態を撮り忘れてしまったのですが…。
以前は色々カラーをされていて、そこから地毛を伸ばしていき、僕の元に来てくださった時点では毛先にほんのりカラーをされていた部分が残っているくらいで、ほぼヴァージンヘアの状態。
で、オーダーが
ホワイティグレージュ
しかし、見せて頂いた画像はグレー味はあまり感じない…。
そして髪色自体がホワイトっぽいというよりも、巻いた上で屋外でちゃんとしたカメラでとっているから毛先の方がホワイトアウトしている状態…。
ですから、見せて頂いた画像の髪色を作られた方には申し訳ないですが、髪色自体は決してホワイトでもなければグレー味もない…。
ちゃんとした色名で表現するのであれば、比較的明るめなベージュでした。
ということをお伝えした上で、”この画像のお色にしたいのか”、”ホワイティグレージュにしたいのか”を一緒に考えます。
ホワイティグレージュという色を分解すると…?
とはいえ、「その画像のお色にしたいのかホワイティグレイージュにしたいのか」と言われても、そもそも”ホワイティグレージュ”がどんな色なのかが共有できなければ、どうしいかも何にもないですよね。
なので、先ずはホワイティグレージュという色がどういう色になるのか、を分解していきます。
先ず第一段階として、分解すると…
ホワイティ グレー (ベー)ジュ
ここから、それぞれの意味合いを考えると…
ホワイティ グレー (ベー)ジュ
↓
白っぽい、光に当たったときに白っぽく見え、
ホワイティ グレー (ベー)ジュ
↓
そのままのグレーではなく、この場合グレイッシュな、
ホワイティ グレー (ベー)ジュ
↓
明るくて淡く、茶色(橙)の中でも黄色味が強く僅かに寒色に寄っている茶。
要約すると、
光に当たると白っぽく見えるくらい明るくて、彩度が低いグレイッシュなベージュ
ということですよね。
ホワイティをキチンと仕上がりのお色で表現するには…
で、ここで重要になるのが、”ホワイティ”というワードをどう解釈するのか。
というのも、ヘアカラーに於いて”ある程度の明るさ”になっていると、巻いたりして光に透ければ白っぽく見えてくれます。
なので、巻く前提で且つダメージをなるべく抑えたいのであれば、ちゃんと白っぽく見えるところまでブリーチせずとも作ることができます。
しかし、普段巻くことが無い方の場合、もしくは巻かなくても白っぽく見えるようにしたい場合。
そう言った場合はブリーチによってベースの明るさを、ホワイト領域まで明るくしている必要があります。
これもまた、どちらが正しいかではなく、ご自身がどうしたいかで決めることになります。
巻かなくてもホワイトっぽく見えるグレージュにしたい場合のブリーチ
今回の方は後者の巻かなくてもホワイトっぽい透け感が欲しいということでした。
というかそもそも、結構短めの方で普段巻くことは無いとのことでした。
なのでキチンとホワイトブリーチで…、
ここまでブリーチで明るくします。
僕がよく言うホワイト領域です。
白っぽく見える、逆に黒っぽく見えるかどうかと言うのは、髪の毛の中にどれくらいメラニンが残っているかに左右されます。
なので、巻いたりせずにホワイトっぽく見えるようにしたいのであれば、最低限これくらいの明るさまで持っていく必要があるわけです。
完成
メニュー:ホワイト・ブロンド(¥20,000)+Hana式トリートメント(¥5,000)
所要時間:6h
巻いたりアイロンで動きを作ったりせず、普通に乾かして仕上げただけですが、光に当たってホワイトっぽいような見え方してくれています。
これが僕なりの解釈のホワイティグレージュ。
ちゃんと白っぽい感じにしたいかたは是非ご相談ください。
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