いくつであっても好きな髪色を身に纏いたい!そのために考えるべきこと

僕が普段作らせていただいているような髪色は、一般的に”派手髪”というジャンルに分類されるのかなと思います。

しかし一般的に派手髪と呼ぶ時、今でも若干ながら蔑称的な意味合いを孕んでいるように感じることも…。

ブリーチありきの髪色が、グラデーションやインナーカラーで当たり前になりつつあるとは言え、矢張り「原色は下品、茶色が上品」みたいな印象があるのかな、と。

 

ですが、髪色が鮮やかだからといって必ずしも下品になるわけではないと僕は思います。

むしろ原色を使った上で品よく仕上げ1人でも多くの人に受け入れてもらえるような世の中にする、自分がやりたいことを好きに出来る世の中にすることが、僕が美容師という仕事を通してやりたいことの一つです。

 

 

 

 

【華やかで品のある髪色が派手髪】

【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】

をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。

こちらの記事や日々のブログ、スタイルページ、インスタグラムなどをご覧頂いた上、僕の理念や作るスタイルに共感頂けた方は是非LINEオフィシャルアカウントから、友達追加の上ご連絡ください。

 

Twitterはこちら

Instagramはこちら

Instagram

チダハナラヂオはこちら

Al Chem オンラインショップはこちら

Al Chem Online Store powered by BASE
美容室Al Chemのオンラインストア

 

 

 

 

派手髪が何故下品と言われてしまうのか

 

そもそも何故、所謂派手髪は下品という印象を持たれてしまうのか。

それは恐らく色味云々よりも、ブリーチに因るダメージが大きいのかなと思います。

 

というのも、髪の毛が他者に与える印象って意外と大きいものです。

 

例えば誰かを思い出すときに、

「ほら、あの明るめの茶髪でショートの…」とか、

「黒髪でロングの…」とか。

身に付けていた特徴的なアイテムを除くと、結構髪の毛で覚えていたりするものです。

 

加えて、髪の毛ってお顔と違って状態を隠すことが難しいものでもあります。

例えば僕であれば、体質的にニキビが出来やすく学生の頃の名残でニキビ跡が多いのですが、全力でメイクをすればそれを隠すことは不可能なことではありません。

それに対し髪の毛は、ある程度のダメージまでならホームケアやスタイリングによって誤魔化すことは出来ますが、完全に覆い隠すことは不可能ですし、ダメージの進行度合いによっては誤魔化すことすらできない場合もあります。

 

髪の毛のダメージ度合いというのは、思っている以上に他者に対し深刻な悪印象を与えてしまう場合があります。

シンプルに、事前情報無しに髪の毛がボサボサの人を見たときに「あ、この人は几帳面でしっかりしている人だな。」なんて思いませんよね。

恐らく、大体の人がズボラとか、不潔な印象を抱くのかな、と。

例えばそれが、「研究のことしか頭にないちょっと変わっているけど凄い人だよ。」なんて事前情報があれば話は別ですけれど。

他にも髪の毛が他者に与える印象については色々有るのですけれど、少しセンシティブな要素もあったりするので、気になった方はカラーしに来たときにでも聞いてください。

 

ですから、所謂派手髪にするために必要なブリーチの段階でダメージが進行しすぎてしまうと、ズボラ・不潔といった上品とは対極の印象を抱かれてしまうというわけです。

そしてだからこそ僕は、

 

ケアブリーチはあくまで概念。ダメージレスなブリーチは技術で作るもの
「ブリーチするとダメージする」とか「ホワイトヘアはボロボロになる」なんて良く聞く話ですがキチンとした知識と技術があれば、ヴァージンヘアと変わらない艶と指通りを実現できます。

 

ダメージを可能な限り抑えることを、ブリーチをさせて頂く上での核として施術しているわけです。

 

ブリーチする上で付き纏うダメージは可能な限り排除する。

無理なブリーチは絶対しない。

綺麗な髪の毛で綺麗な髪色に。

 

そういう感覚が、ブリーチをする上では必須なのかなと思います。

 

 

 

ブリーチへのハードルが下がった昨今

 

ここ最近は街を歩くと、以前に比べて明るい髪色や鮮やかな髪色を纏った方が増えたなという印象があります。

例えば少し前にバズった鬼滅カラーとか。

その理由は主に2つの理由があると僕は考えています。

 

 

 

グラデーションやインナーカラーの一般化と社会的要因

 

ブリーチをしている方が増えた中でも、矢張り多いのは全体をブリーチしているというより、毛先だけや内側だけといった部分的なブリーチ。

グラデーションカラーは随分前からありましたが、その中でもバレイヤージュのような外国人風グラデーションみたいなスタイルが新たに台頭してきたり。

数年前はまだトレンドだったインナーカラーが、ここ最近はもう定番スタイルになったり。

 

部分的なブリーチをすることが、ある程度当たり前になった。

 

社会的に見ると、今までは全体主義的傾向だった日本社会が、フリーランスが当たり前になったりなど僅かながらに個人主義的になってきたこともあり。

”他所は他所、うちはうち”みたいな感覚が強まってきたのかな、と。

 

といったように、全体ではなく一部分をブリーチして明るいお色や鮮やかなお色にすることが、比較的許され受け入れられる社会になってきたことが一つの要因かなと思います。

 

 

 

プレックス系処理材の登場

 

社会的背景を除くとその一つの要因として、プレックス系処理材の登場があるのかなと思います。

プレックス系処理剤はブリーチによって切れてしまう毛髪内部の結合を強化したり、キューティクルの損傷を防ぐもので、一般的に”ケアブリーチ”と呼ばれています。

 

その他にも、今までとは違った発想のトリートメントなどが出てきたことも一つの要因なのかなと。

 

兎角、ブリーチしても髪の毛がダメージしにくくなったということが、社会的な要因と併せて理由の一つかなと思います。

 

 

 

好きな色を身に纏うことは

 

鮮やかだったり明るかったい、そういった”好きな髪色にする”ということは、ファッションだけでなくメンタル面にも影響を与えると僕は思っています。

 

というのも、人間の幸福は自己と他者からの承認によってのみ満たされるものだと僕は思っています。

自分が認められる自分になる、他人から認めてもらえる自分になる。

自分自身も誰からも認められないけど幸福な人なんて多分存在しませんよね。

 

だから人は、自己表現をするわけで。

メイクもネイルもヘアもファッションと呼ばれる全ての行為は、執筆や演奏などといった芸術的行為と、自己表現をし承認されたいという願望が根底にあるという点に於いて同じだと思います。

 

ですから、自分の好きな色にするということは自己承認の第一歩で、それが他人から褒めてもらえるということは、その方にとっての幸福に直結すること。

今までは社会的に抑圧されていたけれど、今は少しずつですが許されるようになってきて。

だからこそ僕たち美容師は、”ただその方のご希望のお色にする”だけではなく、それによって周りから褒めてもらえるようなお色やスタイルにする使命があると考えています。

 

 

 

派手髪は若い子だけのものじゃない

 

そういった意味合いも考えると、明るかったり鮮やかなお色にする所謂派手髪は、何も若年層だけに許された髪色ではないと思います。

 

ある程度のご年齢だって、「こうしたい・こうなりたい」といった願望は必ずあると思います。

それがどんなお色であっても、どんな年齢であったとしても、そう思うことに関係はないと思います。

 

とは言え、勿論年相応という感覚も非常に大事だと思います。

ご年齢やキャラクターにあったヘアスタイルや髪色にすること、その作り方は一歩間違えれば「無理な若作り」みたいに捉えかねられませんし。

更に言えば、どうしたってご年齢による髪の毛のダメージはありますから。

若い子以上に、ブリーチの仕方や配色に関しては気を使わなければならないのもまた事実。

 

ですが、それはあくまで我々美容師が考えることであって、余計な抑止力にはならないと思います。

 

幾つであってもどんな方でも、好きな自分になることが一番です。

そのために僕達は学び練習し考えご提案し、髪型や髪色を作らせて頂くわけです。

 

 

 

コロナの影響で…

 

確かに、僕のお客様は18〜20代くらいの若い方が多いです。

けれど最近は、コロナの影響なのか35以上の大人世代の方が多くなってきた印象です。

 

実際に、

 

「元々うちの会社はそこまで厳しくなかったのだけれど、最近在宅勤務で会社に行くことも無くなったし、ずっと家にいて気が滅入るから、もういっそのこと今まで出来なかった好きな髪色にしてやれ!って思ってきましたw」

 

みたいなお話をよく、コロナの影響が出始めてからいらっしゃった方から聞きます。

そしてそれは、僕だけではなく周りの美容師仲間からも聞いたりして。

 

ある友人曰く、

「若い子にとってヘアはファッションの要素が強いけれど、年齢が上がるにつれてファッションであると同時にメンタル的な側面が強くなっていく。」

と。

 

それは凄くよくわかる話で。

だからこそ、今こうして大人世代の方がいらっしゃってくれているのでしょうし。

そういった年齢、世代の方も、好きな髪色で好きな髪型で。

もっと自分を好きになってもらえたらなって思うんです。

 

 

 

Hana式大人の派手髪はこう作る

 

で、本題。

 

ここまでは全部前座です。

前振りが長いのはいつものこと。

 

それはさておき。

 

 

 

先日いらした今年五十路を迎えられるショートヘアのお客様。

オーダーは「スタートレックみたいなギャラクシーみ溢れる髪色にしたい!」とのこと。

履歴としては、矢張り白髪が気になるということでずっと白髪染めをされていたとのこと。

けれど、所々ハイライトが入っていたり、耳あたりにちらりとメッシュが入っていたり。

いいですよね、白髪のカバーをしながら、少しでも遊ぶって。

 

でも今回は初の全頭ブリーチ。

矢張り白髪染めの履歴と、ハイライトやメッシュの履歴はちょっと障害になります。

 

ご年齢的に、無理に明るくしてダメージさせてしまっては、綺麗なお色になっても汚くなって下品になってしまいますから。

 

加えて、オーダーの時点では、

「根元をグレーにして、毛先を青系でカラフルにしたい」

とのことでした。

けれど、ご年齢は勿論のこと、ご来店頂いた時やお伺いした普段の服装から考えるに、根元グレーで毛先をカラフルっていうのはちょっと派手すぎてしまって浮いてしまう…。

 

なので、根元ではなく全体のベースをグレーにして、ポイントで青系のカラフルにしようと。

 

 

 

とりあえずブリーチ

 

兎にも角にもブリーチです。

今回は白髪染め履歴とハイライト・メッシュが入っていることから、ビフォアの時点ではそこまで明るくなっていなくても、ダメージはそれなりに進行していることが考えられます。

加えて、白髪染めの履歴があるということは黒染めの履歴があることに等しいので残留も考えられるわけで。

 

なので、それらを踏まえた上でブリーチのパワーコントロールをして…、

 

 

 

 

これくらいの明るさに。

普段はホワイト領域まで打ち抜くことが大半ですけれど、今回はダメージと作りたい色味と色落ちを考えてこの辺りで止めました。

 

 

 

 

ベースメイク

 

イエロー領域で普通にグレーのベースを作ってから青系のお色を乗せていくのもいいですが、今回のテーマは”ギャラクシー感”。

つまりある程度の彩度が必要になります。

なので、ベースメイクは…、

 

 

 

 

こう。

根元や内側はしっかりグレーに染めて。

中間から毛先は嫌な黄色味とオレンジみを抑えて、メインの青系が綺麗に発色出来て且つ最後のオンカラーでキチンとグレーになるベースに。

 

 

 

オンカラーして完成

 

 

普段は左分けとのことなので、こんな感じの配色をし、それ以外の部分は更にグレーになるように。

 

で、出来上がったのがこちら…。

 

 

 

 

 

 

メニュー:Hanaカラー_full(¥25,000)+Hana式トリートメント(¥5,000)

所要時間:6h

 

 

こんな感じで。

 

しっかり見せる部分、控えめな部分。

後ろ姿はグレーで統一。

全部を全部鮮やかにするのではなく、ポイントを絞って作りました。

 

といったように。

どんなご年齢であっても、やりたい髪色好きな色を身に纏えることが一番だと思います。

勿論、そのご年齢にあった作り方があるのですけれど、それらは僕達が考えることなので先ずはご相談頂けたらと思います。

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました