はじめに
先日、僕が敬愛する熊谷のヘアカラー職人、YSOさんが主催するオンラインサロンがフォトコンテストを開催して下さりました。
今年はコロナの影響もあって、美容に限らず様々なイベントが無くなってしまい、我々美容師の腕試しの場であるコンテストや大会なども尽く中止に…。
そんな状況でウズウズしている美容師さん達に、少しでもクリエイティブな活動をする機会を、腕試しをする機会を作ろうということで、開催して下さった今回のフォトコン。
正直僕は、そういったコンテストや大会にあまり興味が持てず…、というかそれに参加する意義や意味を理解出来ずにいました。
ですが今回、いつもお世話になっているYSOさんや大阪シャウルデッサンの黒木さん、まだお会いしたことはないですがいつも素敵な作品を作られているモナルダの中山さん、そして僕が師と仰ぐステアケースの太輔さんらが審査員を務めて下さるということで、「今の僕の実力って、僕の中のエミヤに比べてどれくらいなのか知りたい。」と思い、参加させて頂きました。
改めて、このような私情を抜きに評価して下さる機会を作って下さったYSOさん、そしてその評価をして下さった審査員の方々に感謝の意を表させて頂きます。
テーマ
今回僕が初めて作品作りをさせて頂くにあたり、自分が日頃させて頂いているサロンワークに於けるコンセプトを元にテーマを決める必要がありました。
…と言いながら、実はやってみたいことは沢山あり、どれにしようか本気で悩みました。
悩んだ末に、「一番最初にやるならこれだな〜。」と思ったものがあったので、今回はそれをテーマに作った次第です。
大テーマ:Hanaにとっての”技術”とは
先ず初めに決めた大テーマは、
Hanaにとっての”技術”
これは決して「僕にとっての技術」ではなく、「Hanaにとっての技術」です。
というのも、多くの方が大なり小なり”自分の理想とする自分”というものを胸に抱いていると思います。
その理想像は様々だとは思いますが、例えるならFate/stay nightの衛宮士郎にとっての英霊エミヤみたいな。
なんて言い出すと少し厨二臭い話になってきますけれど、言い換えれば自分の目標とする自分像。
僕は普段サロンワークをさせて頂いている中で、そういったものを物凄く意識しています。
それは、ヘアカラーの技術だけではなく、接客や外部に対する発信発言その他諸々の全てに於いて。
その僕の脳内にある理想の自分が考える”技術”についてを、今の僕が作るとこうなるというのがやりたいことの一つでした。
この後語っていく諸々は、僕の言葉や考えというよりも、彼の言葉や考えだと思い読み進めて頂けたらと思います。
なぜ”技術”についてなのか
我々美容師は、接客業であり技術職でもあります。
だから…、というのは勿論なのですが。
我々美容師だけではなく様々な仕事…、というよりも全ての職業、もっと大きく言えば”人が行うことの全て”に技術というものは付き纏うと考えます。
故に、人と技術は切り離せないものだというのが先ず一つ。
加えて、我々表現者にとっての生きる理由・存在証明である”デザイン・作品”の土台には必ず何かしらの技術があり、それ無くしては何かを表現することは出来ないと考えます。
故に我々は日々研鑽を重ね、自分が表現したいものを100%表現できるように務めているわけで。
つまり言い換えれば、我々表現者にとって技術とはそれ自体が存在証明たり得る。
その技術について改めて深く考えることが、今回のテーマ設定のもう一つの理由でした。
中テーマ:技術とは感謝
そんな”技術”というものについて考察をするにあたり、真先に頭に浮かぶのは感謝であった。
何故なら、自分が行う技術のほぼ全ては、ある日突然自身が生み出したり発明・発案したものでは決してない。
例えば”1回のブリーチで髪色を白くする技術”。
例えば”沢山の色を組み合わせても喧嘩させずに仕上げる技術”
例えば”本来汚いとされるはずのムラを美しいものに仕上げる技術”
例えば”最小限のダメージで理想の仕上がりにする技術”
1回のブリーチで白にする技術は20年も昔にある程度確立されていたし、複数色使った髪色や敢えてムラを作りながらも美しい髪色にする方法は多くの美容師さんが様々な技法を生み出していた。
ダメージを最小限に止める方法に関してはヘアカラーだけではなくパーマや縮毛矯正といった異なる分野の専門家達、多くの研究者さんらによる基礎研究と検証の積み重ねによるもの。
そういった先駆者である諸先輩方が積み上げてきて下さった、連綿と受け継いできて下さったものがあって初めて自身が存在している。
故に、”技術とは何か”を語るにあたり真先に伝えたいことは”感謝”。
それが伝わる作品を、今の僕が作ろうと思った次第でした。
技術とは感謝
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とまぁ、こんな感じで。
僕の中でイメージする”感謝の色”はやはり暖色系。
それも、どちらかと言うと喜ばしい・嬉しい方の感謝なので、明るく朗らかな柔らかなイメージ。
なのでベースは明るく淡いペールトーン系のお色で。
同時に、連綿と受け継がれる技術に対する不屈の意思を構成するために少し強い色も織り交ぜて。
滲むように見えるレインボーは、ある1つの技術から生まれる多様性と、それ自体が希望の象徴であることから、技術について作る上では外せないなと。
但しあまり強い色で作ってしまうと浮いてしまうので、全体の馴染み、感謝と希望が織り混ざるような色合いにしたかったので少し柔らかめなトーンで。
また”連綿と受け継がれる様・何度も繰り返される、試行錯誤される中で完成していく様”を作りたかったので、織機と織物をモチーフに。
それに一番近い配色の仕方、技法は言わずもがな、織物を意味するウィービング。
ウィービングを塗って流してと何度も繰り返していき、色褪せていく部分や新たに入る部分を作りました。
メイキング
とまぁここまで僕の与太話を垂れ流したので、メイキングをば。
ビフォアはこんな感じ。
ちょうどこの撮影をする1週間前くらいに別件の撮影でホワイトブリーチをさせて頂いておりました。
ブロッキングはこんな感じ。
ベースメイクでこうして。
オンカラー①
で、こうなって。
オンカラー②でこうなって。
電子レンジの前でお店開いたら…。
ラストカラーをして。
こんな感じになったのを…、
こんな感じで撮影してました。
僕はもう、自分の仕事の9割が終わったものだから悠々と過ごしていました。
みんな信頼できる人たちだからね。
僕は僕の領分で全力を出すけれど、そこから先はそれぞれ任せられる人達がいるから、コンセプトとテーマだけ伝えて「好きにして〜」って感じ。
その方が、ワクワクするじゃん?
で、こうなって。
ちょっとテーマからは逸れるけれど、巻いて遊んでみたりしてました。
といった感じで。
実は初めてだった作品作り。
なんとなく、避けてきてしまっていたのですが、矢張りやってみるとその意味や意義というものがよくわかるもので。
今後スタイル撮りはしないでしょうけれど、作品作りはしていきたいな〜と。
そしてそれを普段のサロンワークに落としこんで、もっと楽しい髪色を作れるように頑張ろうと思った次第でした。
【華やかで品のある髪色が派手髪】
【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】
をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。
初めて僕のブログをご覧下さった方は必ずこちらのページを御一読下さい。
・Hanaのブリーチ技術について
・ホワイトヘアにするための条件
・何故1回のブリーチで白く出来るのか
・そもそもホワイトブリーチやケアブリーチって?
・どれくらいダメージするの?
・ブリーチってやっぱり染みて痛いものなの?
といった、僕のブリーチに関する基本的な内容や、よくある質問はこちらの記事に纏めておりますので、こちらも是非ご覧ください。
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