僕の元に初めて来てくださる方は
「ホワイトブリーチして髪の毛を白にしたい!」
というオーダーが非常に多いです。
しかし、ホワイトヘアにするためには最低条件としてカラーやパーマなどを何もしておらず、普段のアイロンで髪の毛が熱変性をしていない完全なヴァージンヘアであることが必須になります。
では、カラー履歴がある場合、ホワイトブリーチをするとどうなるのか。
そしてその場合何ができるのか。
今日はそんなお話です。
【華やかで品のある髪色が派手髪】
【当たり前から一歩踏み出した面白いスタイルを】
をモットーに、東京は学芸大学駅から徒歩4分の Al Chem という美容室にてカラー技術ではなく僕の作るデザインをご提供しております。
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「次のカラーへの支障が少ない」は支障が無いでは無い
というわけで今回のお客様。
2ヶ月ほど前に全体ブリーチをされ、ピンク系に。
ご自宅でもエ○シェールズのカラーバターをお使いになられていたそうです。
オーダーは勿論ホワイト。
で、ですよ。
アレって、
「次のカラーの邪魔をしない!簡単に落とせる!」
という謳い文句なんですよね。
でもね…、完全に落とせるわけでは無いんですよ…。
メーカーによって違う??
よく
「〇〇ってメーカーのカラー剤は落とせる(or落ちない)」
という話が出ます。
しかし、メーカー単位・ブランド単位での判断はできません。
何故なら色によっては落としやすいものもあれば、全然落ちないものもあるから。
例えば冒頭でご紹介したエン○ェールズのカラーバターだと
ショッキングパープルは比較的容易に落とせますが、リアルレッドなんかはびっくりするくらい落ちなかったりします。
かなり昔の画像ですが…、
この赤をなんとか落とさんと、思いつく限り全ての方法を試し、最終的にブリーチをしてみたら…。
こうなりました。
…びくともしねえでやんの。
ほんのり…、ほんの〜〜〜〜〜り赤みが薄まって朱色っぽくなりましたけれど、それまで。
アレだけ簡単に落とせると謳っているものでも、色によってはここまで落ちないこともあるんです。
色ではなくて含まれる染料次第
で、ここで勘違いしないで頂きたいのは、
「赤だから残る!青だから残らない!」
といった色による差ではなく、もっと根本的な
その色にどの染料が含まれているか次第
ということです。
例えば赤系でも、先ほどのお写真のように頑固に残るものもあれば、割とすんなり落とせるものもあります。
逆に青系でもさくっと落とせるものもあれば、全然落ちずに残ってしまうものもあります。
なので、「〇〇のカラー剤が〜」とか、「○色が〜」とかでは判断できないのです。
あくまでどんな染料が使われているか…。
しかし、ここで難しいのが、どの染料が残りやすいor落としやすいかの断定がしにくいということ。
というのも、市販品もプロユースも含めて、一般的に販売されているカラー剤は様々な染料が混ざってできています。
ある染料を単品で使うことはまず無い。
つまり、裏面の成分表示を見て使われている染料を調べても、
「残りやすい○色にはこの染料がよく使われている!だからこの染料は残りやすいのかも??」
という予想はできますが、
「確実に間違いなくこの染料の影響」
という断定はできないのです。
…できたらそれをしたいからメーカーの研究さんがもしこの記事見ていたら連絡ください。
閑話休題
残りやすい染料が使われていたら…
残りやすい染料・落としやすい染料が断定はできないので、今の時点ではカラー剤単位での判断しかできません。
「〇〇ってメーカーの△△は残りやすい」
みたいな。
同じメーカーの同じブランドの中でも色によって残留するかしないかは変わるので、色々試すしか無いです。
で、本題に戻って。
仮に残留性の高い染料が使われていた場合。
先ほどの真っ赤から微動だにしない程ではなくても、このようになることが多いです。
こちらの方はパステルのオレンジにしたわけではなく、カラー履歴がある髪の毛に、本来なら白にできるくらいのホワイトブリーチをした状態。
残留する染料で染めていると、このようにどうしてもオレンジが残ってしまいます。
染料が残留する以上、色味がゼロで明るさがマックスのホワイトにはすることができません。
染料が残った!そんな時の選択肢は??
なので、こういった場合
・ホワイトを諦め、無彩色にすることを優先して暗くする
・ホワイトにすることを諦めて全く違う色にする
・明るさを優先して無彩色にすることを諦め、時間をかけてホワイトにしていく
の三択になります。
この中でホワイトにできるのは当然三つ目の選択肢のみです。
しかし、時間をかけてといっても1回や2回の話ではありません。
こちらの記事にも書いている通り、ショートヘアであっても年単位の期間がかかります。
その間、既染毛であった部分を伸ばして切手を繰り返しながら徐々にホワイトの範囲を広げていくことになるわけです。
染料が残留した髪の毛は汚い色なのか
でね、最近思うんですよ。
そういうカラーの履歴によって染料が残留してしまった状態って、汚くてどうにかしなければならないものなのか、って。
でも、冷静に見てみたら、綺麗なパステルなオレンジなんですよね。
でも、それが汚いと言われるのって、恐らく
根元が暗く・濁っていて、毛先が明るい・鮮やか
が一般的な綺麗な髪色の状態の一つの条件だから。
でも、根元が明るくて毛先の方が暗かったりするのも、それはそれで可愛いと思いません??
だから、最近は
これくらい根元が伸びていて根元はホワイトにできる。
中間から毛先は恐らく残留してホワイトにできないだろう。
みたいな時は…、
こんな感じで、根元は白にしちゃって、中間から毛先は残留をそのまま残します。
でもこれさ、可愛くないですか??
なんか、無理して無彩色に寄せたり、変に色入れるより、素直で明るくて可愛いな〜って思うんですよ。
見た目的にも、文脈的にも。
メニュー:ホワイト・ブロンド(¥20,000)+Hana式トリートメント(¥5,000)
所要時間:5h
といった感じで。
こういうカラーもいいなぁって思う今日この頃です。
なんというか、”こうあるべき”みたいな物に縛られ過ぎてしまうと、面白い物楽しいものって作れないと思うんですよ。
特に、無意識のうちに”これが綺麗ということ”みたいに植え付けられてしまっているものとかは、意識して考え直してみないとわからなかったり。
でも、やってみると意外と可愛いもんなんですよね。
ホワイトヘアにしたいけど、今既にヘアカラーなどをされていて、ヴァージンヘアが伸びるのを待っているという方も、こういったお色が嫌でなければ是非ご相談くださいませね。
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