ヘアカラーをすると絶対避けられないものとして色落ちがありますが、もう一つ避けられないものとして”根元が伸びてくる”ということがありますよね。
ブリーチをしないブラウン系の髪色であれば、根元が伸びてきても気になりにくいデザインにすることもできます。
しかしブリーチの場合、その明るさ故に根元が伸びてきてしまうとどうしても黒との対比で気になってしまいますよね。
そんな気になってしまう所謂プリンですが、その解消と次のカラーのためにするリタッチに、理想的な頻度があるのはご存知でしょうか??
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リタッチってどんな技術??
ブリーチやヘアカラーをされている方は当たり前にご存知だと思いますが、改めてリタッチとはどんな技術なのか…。
ブリーチをはじめ、ヘアカラーをしていると徐々にカラーをした部分が色落ちして明るくなり、根元の方が段々と伸びてきてこのような感じになりますよね。
この根元の黒い部分(新生毛)の部分を、ブリーチやカラーをしている中間から毛先の部分(既染毛)の明るさに繋げる技術のことをリタッチと言います。
根元が2〜3センチくらい伸びていた方のリタッチ後の図。
根元数ミリ黒い部分がありますが、そこから先の根元と中間から毛先の明るさに差がないことがお分かりいただけるかと思います。
実は結構難しいリタッチという技術
この新生毛と既染毛を繋ぐリタッチ。
たまに、「根元を染める(明るくする)だけだから簡単でしょ??」と思われることもあるのですが、実はめちゃくちゃ神経を使う仕事だったりします。
ブリーチリタッチの場合
根元はこのように黒髪で、毛先はブリーチされている状態。
ブリーチされている状態ということはつまり”それなりにダメージが進行している”ということ。
勿論、極力ダメージが少なく済むように普段からブリーチをさせていただいております。
しかし、それでもダメージを0にできるわけではありませんし、ご自宅での扱い方次第ではダメージが進行してしまう場合もあります。
ということはつまり、
パワーのある薬剤でしっかりと明るくしなければならない根元と、
ブリーチ剤を極力付けたくない、ましてやパワーの強い薬剤なんか絶対付けられない毛先。
この二つが隣同士にあるわけですから、特に境界線の部分には非常に気を使いながら塗っていくことになります。
ビビって守りに入れば境界線付近に明るくならない部分ができてしまいます。
かと言って何も考えずに既染毛の方へ薬剤を伸ばしてしまうと、境界線の部分からブチブチと切れてしまいます。
境界線ギリギリまで攻めて、でも既染毛の方へは絶対にはみ出さない。
そういうことを繰り返すのが、ブリーチのリタッチになります。
ブラウンヘアのリタッチの場合
ブラウンヘアの場合、ブリーチしている髪の毛に比べたら全然ダメージは少なく済みますよね。
だからなのか、ブラウンヘアのリタッチは比較的雑に扱われがちだったりします…。
しかし僕は、ブラウンヘアのリタッチであっても、ブリーチのリタッチとなんら変わらないと思っています。
というのも、新生毛と既染毛の境界線を超えるということは、そのオーバーラップした部分が更に染まってしまうということになります。
勿論、ダメージもその分進行します。
ブラウン系の髪色の場合、ブリーチしている髪の毛と比べたらダメージも少なくムラも見え辛いのはあります。
しかし、ブラウンヘアであったとしても、雑なリタッチをしてしまえばその分ダメージも進行しムラにも繋がってしまいます。
なので、「ブラウンヘアだから」と思わずに、ブリーチしている髪の毛と同じ感覚でリタッチを考えてもらえたらと思います。
髪の毛を守るために守って欲しい理想的な頻度
リタッチがどのような技術なのかはお分かりいただけたかと思います。
では実際に、どれくらいの頻度でリタッチを行うのが理想的なのか。
と、その前に…、
人の髪の毛が伸びる速度って?
一般的に言われる人の髪の毛が伸びる速度は大体、1ヶ月に1〜1.5cmと言われています。
勿論これはあくまで一般的にという話で、ホルモンの関係や常用薬がある方など、人によって大きく変わる場合もあります。
しかし、大体の方はこれくらいの速度で伸びています。
髪の毛は均一に伸びるわけではない。
根元が伸びてくると黒髪と既染毛の対比で、気になる方は凄く気になるとは思います。
黒髪が一直線に伸びているわけですから…。
しかし、伸びてきた髪の毛によってできた境界線は、一見一直線になっているように見えて、実際には全てに髪の毛が一斉に伸びているわけではありません。
新生毛と既染毛の境界線をじっくり見るとこういう風になっています。
何故なら、髪の毛は1つの毛穴から何本か生えています。
この何本か生えている髪の毛にはそれぞれ、伸びる時期、成長が止まる時期、抜ける時期があります。
これを毛周期と言います。
この毛周期は人の髪の毛の量を一定に保つ役割をしております。
ある毛が伸びる時期の時に別の毛は止まっていたり、他の毛は抜けていたり…。
一斉に抜けたり伸びたりしたら、怖いですよね。
これがあるからこそ、リタッチに理想的な頻度というのが生まれるのです。
理想的な頻度は1.5〜2ヶ月
この伸びる速度と毛周期を踏まえた上で、守って欲しい頻度は1.5〜2ヶ月です。
長さでいうと、2〜3cm程度。
これを守っていただけると、ブリーチヘアでも切れ毛も少なく良いコンディションを保てます。
逆に、その周期未満だったり伸びてしまったりした場合どのような危険があるのかと言うと…、
1.5ヶ月未満の場合
ブリーチをしている方の場合、少しでも根元の黒髪が伸びてくるのが気になる方もいらっしゃいますよね。
しかし、1ヶ月おきにリタッチをするのは避けた方がいいです。
というのも、1ヶ月程度だと長さで言えば1〜1.5cmほどの伸び具合になります。
ちょっと分かり辛いですが、1ヶ月くらいだとこれくらい。
根元に黒が見え始めるかな…って感じのタイミングです。
これくらいの伸び加減の場合、刷毛で塗るには新生毛の範囲が狭すぎてしまい、切れ毛のリスクか頭皮にブリーチ剤がついてしまうリスクのどちらかが生まれます。
頭皮に付けないように気をつけると、どうしても既染毛にはみ出しがちになります。
既染毛にはみ出さないようにすると、どうしても頭皮に付きがちになってしまいます。
これはもう、刷毛の構造上そうなってしまうもので、何度も挑戦しましたが矢張りどれだけ気をつけてもどちらかになってしまいます。
3ヶ月以上経ってしまった場合
逆に、「根元が伸びてきたのがむしろいい感じ〜」と感じる方もいらっしゃいますよね。
根元の黒と毛先の明るさによる強いコントラストって、確かに格好いいですもんね。
そういう根元数センチを暗くして強いコントラストを作る、オンブレと言うスタイルがありますからね。
根元が黒ではないですが、根元と中間毛先の色がガラッと変わるこういうのもオンブレスタイルの一つです。
こういうスタイルも格好いいですし、海外の方の場合黒とのコントラストを付けたくて態々ブリーチしてから根元をガッツリ暗くしたりされてますよね。
日本人の場合、放っておけば根元が勝手に黒くなっていくので、態々そんなことしなくてもいいというメリットもあります。
しかし、根元を放置しすぎてしまうと…、
理想的な周期でもこのように一直線にはならない境界線が…、
このように、かなり大きなジグザグを描くようになります。
これが更に伸びてくると…、
こうなります。
最早、どこが境界線かなんてわからないくらいの状態ですよね。
こちらの方は一度ヴァージンヘアに戻してからホワイトヘアにするということで伸ばして行っているのですが、仮にこれをリタッチしてってなると…、
・伸びる速度が速い部分に合わせたリタッチをしないと繋ぎ目に黒い斑点ができる
・かと言って、伸びの遅い部分にはオーバーラップしがちになるので切れ毛が起きやすくなる
・純粋に塗布が難しく、ムラになりやすくなる
と言った危険性が生まれます。
理想的な頻度未満or以上になる場合…
基本的に、お勧めはしません。
が、「どうしても根元が気になる」だったり、逆に「遠方なので中々来れない…」という方もいらっしゃいますよね。
遠い方だと、態々北海道から来てくださったり、海外の方もいらっしゃいますしね…。
では、そういう時はどうしたらいいのか。
1.5ヶ月未満でリタッチをしたい場合
1.5ヶ月未満でどうしても根元が気になるという方の場合、一つの手段として”根元のブリーチを甘めにしておく”という方法があります。
例えば、1回目のブリーチで根元1cmくらいを少し甘めに設定しておき、1ヶ月後にご来店頂いた際にその部分もリタッチの範囲として塗っていきます。
そうすれば、理想的な頻度と同じようにリタッチできますから、根元の黒は気になりにくくなります。
しかし、甘めのブリーチに留めるわけですから、目標の明るさがホワイト領域に近かった場合、根元はどうしても少し黄色くなります。
その分根元は中間から毛先よりも少し濃いめの薬剤で染めないと、毛先の方と同じようには染まらなくなってしまいます。
なので、多少グラデーションがかった感じにするか、根元の黄色味を潰せるくらいの濃さで全体を染めるかの二択になってきます。
しかし、それらを良しと出来るのであれば、毎月リタッチするというのも不可能な話ではありません。
3ヶ月以上お越しいただけない場合
こちらの方は大体4〜5ヶ月程度、お仕事が忙しくお越し頂けなかった状態です。
こういう状態の場合、通常僕がやるような…
ペーパーを挟んで行うリタッチでは、塗る範囲の関係と、明るくする力の関係で対応しきれなくなります。
なので…、
このように、アルミホイルを使ってリタッチをしていきます。
アルミホイルを使う場合、ペーパーで行うよりも保温効果があるのと、リタッチ幅に合わせてサイズを変えられるので、ある程度までなら対応できます。
とは言え、非常に難しいリタッチになるため、ブリーチのリタッチだけで対応仕切れない場合もあります。
なので、ブリーチの後そのまま希望色を乗せるのではなく、一旦色のベースを作るなどの工夫が必要になります。
このように、リタッチ後一旦リタッチ部分をベース作りすることで、綺麗な状態に持っていきます。
仕上がり
で、出来上がったのがこちら。
中間から毛先は殆ど何もせず、根元の青いベースを作ったところに、さらに青や紫を重ねたオンブレスタイルです。
ここまでのベースが作れていれば、大体なんでもできますが、「青使って好きにしてー」ってことだったのでこんな感じに。
メニュー:Hanaカラー_full(¥25,000)+Hana式トリートメント(¥5,000)
所要時間:6h
お仕事の関係だったり、お住まいとの距離の関係で中々理想的な周期でお越しいただくのが難しいこともあるかと思います。
2ヶ月にいっぺん飛行機乗って来てくださるとか、ありがたいですけれど申し訳なくもなりますしね。
けれど、矢張り髪の毛を守るためにも綺麗な髪色を作るためにも。
特にブリーチをするのであれば理想的な頻度を守ってもらいたいので、是非1.5〜2ヶ月を目安にご連絡頂けたらと思います。
コメント
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